ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

ララの大仏

2008-02-22 13:17:11 | Weblog
「エーッ、なんで~?ほかに該当者がいらっしゃるでしょう?」
「これは決定事項なのよ。全員の了解の下の話です」
「う~ん、そうなら仕方ないわね」
トホホホ・・。
あたくしの知らないところで話は進み、結果だけの連絡。
スサーナ先生のお誕生日祝いをすることとなり、お祝い品はどなたかが用意。
そこにお祝いのメッセージを。それがあたくしに割り当てられたました。ええ
もちろんスペイン語でって。
 レッスン日がその日の1日前にあたるので、1時間早く終って、ささやかですが、
お茶とケーキで祝って差し上げましょうって、恒例の事ですって。

去年、
「もう1回いらっしゃいな」
って、3年間の空白を無視して、先生からのありがたいお誘いを受けて再度参加
させていただいているスサーナクラス・スペイン語講座。
どうにかこうにか、しがみついての、あやうい私の授業風景でございます。
始めましての方も4人。その中でとりわけ熱心なミサコサンは小学校国際クラスを
担当。半端じゃあございません事よ、その方のスペイン語に取り組まれる姿勢は。
どれほどあたくしが刺激を受けましたことか、いつぞやも書きましたが、
学ぶって、こういうことなのね!って。

 一昨日、気まぐれ私の美容院行きで、見事大変身を遂げた髪型で、昨日、
レッスンへ出かけました。
「あら~、誰かと思ったら」
「はい、奈良の大仏です」
「って言うなら、ララの大仏でしょ?」
流石(さすが)~、これは言う事無しの突っ込み!はい、ララはあたくしが
命名しましたこのサークルの名前。
ララ=rara=変な、まれな、珍しい女、男性名詞ですと、ラロ=raro
はい、名前負けしていない立派な(?)ララ達です。個性的な女達。

 いつも早めに出掛けるあたくしではございます。昨日は又しなくてはなら
ないこともございましたから、いつもより少し早く到着しまして、かなり
真面目な顔(多分)で、先生に申し上げるスピーチ内容のチェックをしてました。
 ええ、あたくしにしましては、かなりの緊張でございましたわ。
間違える事に、なんの恐れも恥ずかしさも持っておりません、いつも。けれども、
今回は、それはしたくないって、強い思いがございましたので、だって、あなた、
言葉はとても大事でございましょう?自分自身だけのことでございましたら、
間違えちゃった~、でも済みます事よ。でも、今回はメッセージも大事なプレゼント。
ましてや、みなさんからのご指名に、あら~、間違えちゃった~!では済みません。
 辞書で、もちろん紙のそれでございます。紙のそこには多くの例題も載っており
ますから、いつまでたっても自分のものとしないできないあたくしのような人間には
紙の辞書は手放せないのです。その中の例題などから、自分の表現が、思いと遠く
離れていないかどうかを確認しまして、みなさんへ、その原稿のコピーを差し上げる
事にしましたの。言葉は、瞬間で消えてしまうものでございます。ですから、お受け
したあたくしは、みなさんに、これこれを申し上げます、お手元のそれをご覧になっ
て下さいませね、で。あたくしなりの誠意のつもりでした。スペイン語と日本語で。

 ケーキとお茶が用意され配られ、素晴らしい花束が出てきました。
「さあ、レイコサン」って促され、意を決して(ええ、大層な気持ちで)、
スピーチを、なるべく見ないで、先生に申し上げました。少し冗談も入れたそれを。
先生は、心なしか涙ぐんでいらっしゃいました。
ああ、喜んでいただけたって、こちらも嬉しく、もらい泣きしそうでした。

 「まちがってませんでした?」
「ええ、ステキな言葉をありがとう!」
「良かった~、これからも宜しくお願いします」
「こちらこそ」

 ご子息が、アルゼンチンへ帰ってみたいっておっしゃる彼女の気持ちへ、
500円玉貯金をせっせとされていたそう。ずっしりと重いそれをお母様へプレゼント。
なんて、嬉しいお話でしょう。彼女は、嬉しさに幸せのベールに包まれておいで
のようでした。こういうお話って、なんてこちらの心まで温めてくれるのでしょう。

レッスンへ出掛ける前に、瑞々しい春キャベツを買って、ロールキャベツを。
あたくしにとりましては、かなり重い任務(スピーチ)を終え、
「ね、お食事に行かない?」
ケーキもコーヒーも別腹。
いきなりのお誘いに3人のクラスメイトが同道。
10時まで、女たちのオシャベリが。

でもね、ようく考えてみましたら、あたくしは、なんてステキなお役を戴いたの
でしょう。誰かに何でもお任せしてましたら、何も自分のものにはなりません。
先生に申し上げたのです。
「すごく気が重かったのです、正直に言って。でも、ありがたいことですよねえ、
こういうチャンスを戴けたって。皆さんに感謝しなければ、ね?」
ふっと、そう思えたのです。
なんで、スペイン語を勉強してるの?・・・自分に引き寄せたいから!
なら、どういう形であれ、お話できる機会を得られたって、これは何にも替えが
たいものですもの。ありがたいだけ!
そして、そう、思えた自分に、ちょっと誇らしい気持ちを持てたのでございます。
ええ、ララの大仏は。