「生者必滅」では無いが、物事には必ず始めがあり、始めあるものには必ず終わりがやってくる。理屈では解っていても黄昏時ともなると侘しくなってくるものである。どうやらエンドウがそうした時期に入ったようで、最後の収穫を試みることに。既に茎葉は黄色く変色し、実の入った莢も瑞々しい緑からは遠ざかっている。まるで我が身を振り返るようでもあり、少々の悲哀に包まれるのも止むなしだろうか。思えばエンドウはこの2ヶ月余り、畑を賑わしてくれた。時系列で並べると、キヌサヤエンドウ→スナップエンドウ→実エンドウ、の順で実りを提供してくれた。夕餉の一品に、弁当のお供に、はたまた豆ご飯に・・・・・・用途は様々なれど、活用範囲は広い。仲間達やご近所衆に提供するにしても、あげやすい品だ。
ネット環境を作り上げる手間暇は掛かるが、栽培は容易だ。気を付けなければならないのは、連作障害が出やすいこと。マメ科の特徴でもある。この点だけ留意すれば左程の心配も無く収穫へと繋がっていく。農作業初心者でも取り組みやすい品目だ。種蒔きは11月の頃、幼苗での冬越しとなる。稲藁等があれば便利だ、秋口にはご準備を。
上記の時系列の如く、最後に残ったのは実エンドウ、いわゆる豆ご飯用のエンドウだ。莢から実を抜き取り白米と一緒に炊飯する。白いご飯の中に緑の豆が浮かんで何とも美しい。無論、食べても美味しいのだが観賞用としても利用できるかと。
最後の収穫を行うとザル一杯の収穫物があった。分配しても数軒分には行き渡るだろう。我が家では十分過ぎる程エンドウを賞味した。最後の一品はご近所のマダム衆に提供しようかと思う。豆ご飯を炊き込んで家族団らんの場を築いてもらえれば有り難い。たかがエンドウ、されどエンドウ。小さな豆粒が平和な一時の礎となってくれることを願っている。
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