木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

ハヤトウリの冬越し

2022年12月20日 06時02分25秒 | 耕作放棄地

「ハヤトウリ」ってご存じだろうか。当地でも栽培事例は少なく、農園でも先輩方が挑戦されるのみ。子狸も栽培していない。一時期はまったことはあるのだが、収穫物の多さに辟易して諦めてしまった。先輩方は漬け物用途が目的みたいで、例年栽培を続けておられる。地域によっては実の若い時期、野菜として賞味する風習もあるやに聞くが、当地では「酒粕漬け」が多いようだ。原産はアメリカ大陸のようで、我が国への導入は比較的新しいようだ、大正時代、薩摩国に伝わったので薩摩(隼人)のウリ、つまりハヤトウリと名付けられたとか。

栽培は春先に種子を埋め込んだり、保存した根株を育てたりの手法で育成し、秋に収穫する手立てだ。難しいのは「冬越し」、ハヤトウリは至って寒さに弱い。どうやって冬越しさせるかが至難の業で、栽培者の手腕が試される時期だ。方法論的には2種類あるかと思う。①晩秋に実を採取し、籾殻等で保温して屋内で越冬させる、②根株をそのまま稲藁やマルチ等で保温し土の中で越冬させる、このどちらかで冬越しさせる事例が多い。農園では「大御所」が前者の手法で、「長老」が後者の手法で挑戦しておられる模様。何れも毎年同様に栽培中だから、うまく越冬させておられるようだ。

ハヤトウリはツル性なので耕地として「棚」を要する。つまりブドウのように上空へと伸びる性質があり、相応の設備が必要なのだ。お二人とも竹で棚を作って「ハヤトウリ棚」として使っておられる。例年同じ場所なので、連作障害は発生しない模様だ。収穫物が多いと書いたが、1本のツルで数十個の実が成る場合もあり得る。出荷するか、分配する手順を講じておかないと、大変な事態となりかねない。先輩方もどうして処理されてるのやら。

当地も冬場に入り冠雪も見られるようになってきた。越冬対策は既に講じてあると思えるが、若干の実はまだ残っている。野鳥用にわざと残してあるものと理解したいが、相当固い状態だろうから、ついばむのも困難かな。いずれにしても用途が限られるハヤトウリ、多めの収穫物とともに処理の大変さにも悩まされる。冬越しの手立ても至難の業で、栽培に困難さを伴う野菜だ。関心がおありであれば、挑戦されるのも一考かと。但し、何株もの栽培は控えられたほうが賢明かなと思いますが。

 

 

 

 

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