火星ネズミ(1)

2016-03-03 21:32:00 | 童話
僕はハツカネズミで、僕の仲間には宇宙環境の実験のために、小さなオリに入れられて宇宙へ行ったネズミも居る。

だけれど、僕は宇宙飛行士として宇宙に行きたいと思っている。

日本の宇宙飛行士十人は、ロケットの発射による重量に耐える訓練や宇宙船の操縦、そしてボットアームの操作の訓練を毎日行なっていた。

一日の訓練が終ると疲れて、宿舎に帰って食事をしてお風呂に入ったら、すぐ寝てしまうのだ。

ハツカネズミの僕はみんなが寝ている間に訓練の装置を見て回った。

僕は機械の操作はできないが、全部見ておけば人間が実際に訓練している様子が良く分かる。

昼間は見つかってしまうので夜の間の探検だ。

僕の一番のお気に入りは操縦室だ。

コンピュータ画面や計器がいっぱい並んでいる。

まだ全然分からないが、打上げまであと一年くらいかかるのではないかと思うので、その頃までには全て分かる予定だ。