ぽろろ、ぽろろ。(3)

2017-04-01 10:16:08 | 童話
僕が家に帰るとキッチンの方から「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」
と聞こえてくる。 
「だぁれ?」
「あっ、コップ君だ。えっ、コップでお水を飲むとおいしいよ、だって。僕はジュースの方がいいなぁ。コップ君貸してね。ゴクッゴクッ、ジュースはおいしいなぁ。」

僕の机のある方から
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」
と聞こえてくる。
「だぁれ?」
やぁ、エンピツケース君だ。なぁに、今日の学校の勉強と宿題を頑張ったね、だって。うん、頑張ったよ。お父さんとお母さんに話をしたらほめてくれたよ。」

物置の方から
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」
と聞こえてくる。
「だぁれ?」、
「あっ、僕の自転車だ。なぁに、自転車に乗って公園に行こうよだって? 自転車の好きな友達を呼んで来るから待っててね。」
「友達が2人来たから3人で公園へ行くよ。この公園はね自転車に乗って走ってもいいんだよ。楽しいね。」

山の方から
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」
と聞こえてくる。
「だぁれ?」
大きな杉の木が呼んでいるのだ。
「大きな木だから僕は登れないよ。なぁに、太い枝にかけたブランコに乗せてくれるの。ぶーらん、ぶーらん。楽しいね。」

僕の机を置いてある部屋から
「ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。」
と聞こえてくる。
「だぁれ?」
時計が呼んでいるのだ。
「なぁに、電池が無くなりかけているの、よし、取り換えてあげるね。だから、3時になったらおやつを食べるから教えてね。」