僕の順番(2)

2018-04-10 07:10:16 | 童話
そして、葉っぱから落ちた僕は、小川に流れ込んで行き、やがて、僕は川の水になって、みんなで小川を下流へ進んで行きました。
『やあ、魚さんがいっぱいだ。』
僕達はたくさん集まったので川が段々広くなり、流れが速くなりました。
大きな岩がいっぱい有る所では、あっちこっちの岩にぶつかりながら進んで行きました。
右の岩にドスン。
今度は左の岩にドスン。
次から次からぶつかりながら進んで行きました。

そして、急に前が何も無くなり、勢いよく下に落ちて行きました。
『あっ、これは滝だ。』
一番下の滝壷に落ちて行き、上か下か分らなくなりました。
『ブクブクブク。』
僕は滝壷の中で一回転してから上に上がって来ました。
『ブァ。』

滝が終ると川幅が広くなり、ゆっくりと進んで行きました。
広い河原ではたくさんの人がキャンプをしているのが見えます。
そして木の船をさおで押しながら進んで行く遊覧船が見えます。
僕はゆっくりゆっくりと何日もかかって川を下って行きました。

ずっと進んで行くと、大きな橋がいくつも見えてきました。
そして、目の前が広くなり、大きな船がたくさん停泊している所に来ました。
『あっ、塩辛い。海だ海だ。もう川は終ったんだ』
僕は、また海に帰って来たのです。

僕は、しばらくすると、また水蒸気になって空へ行き、雲になってから雨になり、川から海に戻って来るのです。
だから、家や森や山や大きな木や小さな木やお魚さんや大きな岩や滝やキャンプをしている人や遊覧船のみんな、もうすぐ、また行くから待っ居てね。

おしまい