夏が終るころに、僕達が広場で遊んでいると、空が急に暗くなってカミナリが鳴り、大粒の雨が降ってきたので、あまり高くない木の下にいました。
お母さんから「カミナリが鳴っている時は、大きな木の下はカミナリが落ちるから危ないわよ。」と言われていたので、あまり大きくない木の下にしました。
しばらくして、雨がやんで空が明るくなってきました。
僕達が空を見ると大きな虹が出ていて、虹は広場の中から出ているように見えました。
『ねえ、ここだと虹の出ている所に行けると思うから行ってみようよ。』
『そうだね、行ってみようか。』
『僕ね、お母さんと「オズの魔法使い」という映画をみに行った時に、みんなが虹の中に入っていたんだよ。』
『ふぅ~ん。じゃぁ、虹の中に入る事ができるんだ。』
『うん、きっと虹の中に入れるよ。』
僕達が虹の近くへ行くと、やっぱり虹はうしろに行っているみたいで、なかなか虹の出ている所に着きませんでした。
『どうして虹の出ている所に着かないのかなぁ。』
『なんでかねぇ。』
やがて、虹がだんだん薄くなってきて、ついに消えてしました。
『虹が消えてしまったね。』
『うん、消えてしまったね。』
僕達は虹の探検をやめて、家に帰りました。
その夜、空いっぱいに出ているフワフワとした虹を、僕達は広場まで持って来て、両手でギュッと押し固めて細くしている夢をみました。
僕が虹の右側からギュッギュッと押し固め、友達が虹の左側からギュッギュッと押し固めて細くしていきました。虹はだんだんかたくなって縄のように細くなり、両手で持って回せるくらいになったので、僕と友達は広場で虹の両端を持って回してみました。
ぐるんぐるんぐるん、ぐるんぐるんぐるん。
『やったぁ、回った回った。』
『うん、回ったね。すごいね。』
僕達は、幼稚園のみんなにお話しをするために、急いで幼稚園へ行くと、幼稚園の友達も、押し固めた虹で縄跳びをしていました。
『あまりたくさんお昼寝をしていると、夜に寝られないわよ。』と、お母さんに起こされました。
『なぁ~んだ、虹で縄跳びをしていたのは夢だったのか。』
僕は幼稚園で、みんなに夢の話をすると、友達みんなも同じ夢をみていました。
『虹で縄跳びは、やっぱりできるんだね。』
『そうだね、できるんだね。』
『みんなで頑張って虹を探そうよ。』
『うん、探そう。』
それから、秋が来て、冬になり、虹はずっと出ませんでした。
僕達は夏に虹が出るのを楽しみにしています。
おしまい
お母さんから「カミナリが鳴っている時は、大きな木の下はカミナリが落ちるから危ないわよ。」と言われていたので、あまり大きくない木の下にしました。
しばらくして、雨がやんで空が明るくなってきました。
僕達が空を見ると大きな虹が出ていて、虹は広場の中から出ているように見えました。
『ねえ、ここだと虹の出ている所に行けると思うから行ってみようよ。』
『そうだね、行ってみようか。』
『僕ね、お母さんと「オズの魔法使い」という映画をみに行った時に、みんなが虹の中に入っていたんだよ。』
『ふぅ~ん。じゃぁ、虹の中に入る事ができるんだ。』
『うん、きっと虹の中に入れるよ。』
僕達が虹の近くへ行くと、やっぱり虹はうしろに行っているみたいで、なかなか虹の出ている所に着きませんでした。
『どうして虹の出ている所に着かないのかなぁ。』
『なんでかねぇ。』
やがて、虹がだんだん薄くなってきて、ついに消えてしました。
『虹が消えてしまったね。』
『うん、消えてしまったね。』
僕達は虹の探検をやめて、家に帰りました。
その夜、空いっぱいに出ているフワフワとした虹を、僕達は広場まで持って来て、両手でギュッと押し固めて細くしている夢をみました。
僕が虹の右側からギュッギュッと押し固め、友達が虹の左側からギュッギュッと押し固めて細くしていきました。虹はだんだんかたくなって縄のように細くなり、両手で持って回せるくらいになったので、僕と友達は広場で虹の両端を持って回してみました。
ぐるんぐるんぐるん、ぐるんぐるんぐるん。
『やったぁ、回った回った。』
『うん、回ったね。すごいね。』
僕達は、幼稚園のみんなにお話しをするために、急いで幼稚園へ行くと、幼稚園の友達も、押し固めた虹で縄跳びをしていました。
『あまりたくさんお昼寝をしていると、夜に寝られないわよ。』と、お母さんに起こされました。
『なぁ~んだ、虹で縄跳びをしていたのは夢だったのか。』
僕は幼稚園で、みんなに夢の話をすると、友達みんなも同じ夢をみていました。
『虹で縄跳びは、やっぱりできるんだね。』
『そうだね、できるんだね。』
『みんなで頑張って虹を探そうよ。』
『うん、探そう。』
それから、秋が来て、冬になり、虹はずっと出ませんでした。
僕達は夏に虹が出るのを楽しみにしています。
おしまい