お話君のお話

2018-04-14 09:56:26 | 童話
お話くんはお話が大すきです。
お話くんは、ぼくがお母さんとお話しするときも、お父さんとお話しするときもそばにいっしょにいます。
ぼくがポチとお話しするときも、タマとお話しするときも、ずっとそばにいます。

お母さんやお父さんとお話をしているときに僕がわらうとお話くんもわらいます。
お母さんやお父さんにしかられて、ぼくが泣いているときにはお話くんは、ぼくのそば
には、いません。
学校で先生やともだちと話しているときもお話くんはそばにいます。

お父さんが会社でお話をしているときにはお父さんのそばにお話くんはいません。
お母さんが美容院やスーパーでお話をしているときには、お母さんのそばにお話くんはい
ません。
ぼくが寝ているときには、お話くんも寝ています。
ぼくがくしゃみをすると、お話くんもくしゃみをします。

ぼくが病気で寝ているときは、お話くんはおふとんの中でぼくをあたたかくしてくれます。
ぼくが元気になって外で走っているときにお話くんもぼくといっしょに走ります。
ぼくが自転車に乗っているときに お話くんは、ぼくがころんでけがをしないように、い
つも注意してくれます。

運動会でぼくが一等になったとき、お話くんは、よくがんばったねとほめてくれます。
僕がビリのとき、お話くんは、こんどがんばろうね、とはげましてくれます。

ぼくのところにいるお話くんは、ともだちのところにもいるのかなぁ。
ともだちみんなのところに、お話くんがいるといいね。
ねえお母さん、ともだちみんなのところにお話くんはいるの。
ええ、みんなにひとりずつお話くんがいますよ。

ねえお母さん、お父さんにはどうしてお話くんがいないの。
そうね、お父さんも子供のころにはお話くんがいっしょにいたのよ。
だけどね、お話くんはたくさんいないので、ちいさな子のところへ行ってしまったのよ。

おしまい