カピバラさんの2泊3日(7)

2018-08-12 09:42:58 | 童話
僕達が家に着くと、飼い主さんのおばさんが
『楽しかった?良かったね。さあご飯よ。』
と、昨日の夕食と同じ美味しい草と野菜を用意してくれていました。また僕達は、モシャモシャモシャ、コリコリコリと食べてお腹がいっぱいになりました。
『ねぇ、お風呂から出て牛乳を飲んだら花火をしようか?』
『うん、花火をしたい。』
『じぁ、早くお風呂に入ろう。』
そして、みんなでお風呂に入ってから、牛乳を飲みましだ。
『今日の牛乳も美味しいねぇ。』
『そうだねぇ。』

『外が暗くなったので花火をやるよ。』
『どんな花火があるの?』
『線香花火と手にもってシュゥシュゥというのがあるよ。』
『私は線香花火がいい。』
『僕はシュゥシュゥというのがいいなぁ。』
『僕もシュゥシュゥというのにする。』
『綺麗だね。』
『そうね。』
『もう終ってしまった。』

お母さんが
『もう寝るのだから歯を磨いてきなさい。』
『はぁ~い。』
『明日はもう帰るのだね。』
『そうね、楽しい事はすぐ終るわね。』
そして、僕達は明日の用意をしてから、藁を敷いた箱の中で、グ~、グ~。

『おはよう。』
僕は今日も起こされた。歯を磨いて、顔を洗って、ブルブルッ。
『ああ、気持ちいい。今日はもう帰るんだね。』
4匹と3匹の全員で朝ご飯を食べた。
今朝採ってきたみずみずしいキュウリとニンジンとトウモロコシを貰ったので、水を満たした水筒と一緒にリュックに詰込みました。さあ出発だ。
『また来なさいね。』
『うん、きっと来るからね。』
お父さんとお母さんが
『お世話になりました。』
と言って手を振りました。
僕は、もっと大きく手を降って
『バイバ~イ。』
と言って歩き始めました。

僕達はまた、お父さんを先頭に一列になって歩きましたが、暫く歩いていると雨がポツポツと降ってきました。
『お父さん、どうします?』
『もう少し歩いて、雨が強くなったら、どこかで雨宿りをしよう。』
『そうね、みんな頑張ってね。』
雨が段々強くなってきた。
『あそこのお菓子屋さんの軒先で、雨宿りをさせてもらおう。』
『随分濡れたねえ。』
ピカピカ、ゴロゴロ、。
『うわっ、雷だ。』
『雷が落ちると死んじゃうのかなぁ。』

みんなで半分濡れながら雨宿りをしていると、今来た方から自動車が来て止った。
『随分濡れたね。』
昨日泊まっていた家のおじさんが運転して来たのでした。
助手席のおばさんが僕達4匹の体をタオルで拭いて、後の座席に乗せてくれました。
『君達の家まで送ってあげるよ。』
そう言っておじさんは車を走らせていきました。
そして、高速道路を走ったので、たちまち家に着いた。
僕達の飼い主さんが
『遠い所をありがとうございました。』
『いやいや、高速道路を走れば直ぐですから。』
『そうですね、カピバラは高速道路を歩けないからね。』
『それでは、私達はこれで帰りますから。』
『ありがとう。バイバ~イ。』
僕は走って行く車に、いつ迄も手を振りました。
僕達の飼い主さんが
『夕食を食べたらお風呂に入って、早く寝なさい。』
僕はお姉ちゃんと
『楽しかったねぇ。』
『また田舎に行きたいね。』
そして、僕達4匹は牛乳を飲みながら
『お風呂上がりの牛乳は、いつ飲んでも美味しいね。』
僕達は歯を磨いてから、柔らかい藁を敷き詰めた箱の中で早く寝ました。
グウグウグウ。

 おしまい