大きな大きな縄跳び(4)

2019-08-25 07:57:43 | 童話
夏が終るころに、僕達が広場で遊んでいると、空が急に暗くなってカミナリが鳴り、大粒の雨が降ってきたので、あまり高くない木の下にいました。
お母さんから
「カミナリが鳴っている時は、大きな木の下はカミナリが落ちるから危ないわよ。」
と言われていたので、あまり大きくない木の下にしました。

しばらくして、雨がやんで空が明るくなってきました。
僕達が空を見ると大きな虹が出ていて、虹は広場の中から出ているように見えました。
『ねえ、ここだと虹の出ている所に行けると思うから行ってみようよ。』
『そうだね、行ってみようか。』
『僕ね、お母さんと「オズの魔法使い」という映画をみに行った時に、みんなが虹の中に入っていたんだよ。』
『ふぅ~ん。じゃぁ、虹の中に入る事ができるんだ。』
『うん、きっと虹の中に入れるよ。』

僕達が虹の近くへ行くと、やっぱり虹はうしろに行っているみたいで、なかなか虹の出ている所に着きませんでした。
『どうして虹の出ている所に着かないのかなぁ。』
『なんでかねぇ。』
やがて、虹がだんだん薄くなってきて、ついに消えてしました。
『虹が消えてしまったね。』
『うん、消えてしまったね。』
僕達は虹の探検をやめて、家に帰りました。