空のイルカ、夢のイルカ(2)

2021-06-18 09:30:06 | 童話
『僕は泳ぎがうまくないので、海の深い所へは行けないから、一緒に遊べるのは、海の浅い場所だよ。』
『うん、いいよ。』
『何をして遊ぶの?』
『軟式野球のボールを投げるよ。それっ。』
『よしっ、僕はヒレでポンッ。』
『今度は、僕はバットでボコン。』
ポンッ、ボコン、ポンッ、ボコン

『もう少し大きなビーチボールで遊ぼうか? 僕が海の方へボールをけるから、イルカ君は海の方からボールを投げ返して。』
『いいよ。それっ。』
僕がポンッ。
そして、イルカが尾ビレでボンときつく打ちました。

『うわっ、そんなにきつく打ったら取れないよ。』
『ゴメンゴメン。』
イルカが尾ビレで打ったビーチボールは風で空高く上がりました。
『あんなに高く上がったら取れないよ。風に流されてドンドン高く上がって行くよ。』
『よしっ、一緒に取りに行こうか?』

『あんな高い所へ、どうやって取りに行くの?』
『僕の背ビレにつかまっていて。』
『うん、いいよ。』
『それでは行くよ。』