アリの小さな魔法使い(1)

2016-08-31 21:21:32 | 童話
僕はアリですが、魔法使いなのです。

みんなが歩いている時や、走っている時に、つまずいて転ぶ時があるよね。
あれはね、僕達アリが踏まれそうになったから、僕が魔法を使って踏まれないようにしたからなんだよ。

それと、君達は見たことがあると思うんだけれど、大きなエサの昆虫を、僕達がたくさんで運んでいる時に、少し経ってみんなが気が付いた時には、もう運び終っていることがあるよね。
これも僕の魔法なんだよ。

あとね、僕達はエサを探して遠くまで歩いて行くけれど、時々迷子になることがあるんだ。
その時僕が魔法で帰り道を教えるんだよ。

もう一つ、僕達アリが高い木に登って行くのを見たことがあるでしょ。
僕達アリも高い所から落ちることがあるんだけれど、その時も僕が魔法を使って、そっと地面に着くようにしているからケガをしないんだよ。

それから大切なことなんだけれど、僕達アリの家は地面の下にあるので、雨がたくさん降ってきて僕達の家に水が入ってくると困るので、僕が魔法を使って巣の入口にふたをするんだよ。
いつもは、雨が降ってくるのが分るので、早くから全部の巣の入口にふたをするんだけれど、急に雨が降ってくると、魔法使いの僕は忙しいんだ。


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