父が、突然古い書籍のコピーを取り出し、翻訳したいと言い出したのですが、高齢の為(88才)か思ったように進まない様子だったので、Webの翻訳機能を使って、翻訳する手伝いをしました。
ここのところ、新聞を読んでいて、IoTや、AIが気になっていたようで、コンピューターの父と言われるチャールズ・バベッジが、テーラー以前に、経営の課題を書籍にしたというのを思い出したようです。
<ウィキペディア>
写真はの下のコピーを束ねたものは、
The Golden Book of Management、
The Making of Scientific Managementの2冊の経営学の歴史を紐解いた本の複写で、初任地の大学で研究費で購入したので持ち物にできず、やむなくコピーを取ったというものです。
どちらも、経営学史上の重要な人物を年代順に取り上げたもので、冒頭にチャールズ・バベッジが記載されています。
写真の一番上に載っている本は、
On the Economy of Machinery and Manufacturers 主たる翻訳では「機械と製造業の経済」という1832年に出版された本の1960年代の復刻版です。
この本は出版当時もベストセラーで、その後も何度も復刻されていますが、残念ながら日本語訳は見当たりませんでした。
けれども、概略を知ると、この人はどんな人なのか、強い興味が湧いてきました。
調べてみると、日本語訳された評伝があり、早速購入して読んで見ました。
チャールズ・バベッジ―コンピュータ時代の開拓者 (オックスフォード科学の肖像) ブルース・コリアー著、オーウェン・ギンガリッチ編集代表、須田康子約 大月書店 ①
1800年代に、階差機関という、世界初の自動計算機の開発に取り組み、さらには、解析機関というコンピュータにもつながる設計、ジャガード織り機のパンチカードの活用も考えるといった、先見性の高い、優れた頭脳に驚くばかりです。
階差機関の開発に合ったって、チャールズ・バベッジは、自国の技術のみならず、ヨーロッパ大陸の技術を自ら階差機関を開発するために技術者とともに、調査をしました。
ヨーロッパ大陸を回る中で、小さな工房の熟練技能者から、工場として製造しているところまで、現場を見て回り、先の、「機械と製造業の経済」にまとめました。
「この『機械と製造業の経済』(
On the Economy of Machinery and Manufacturers)のなかで、バベッジは工業生産を、原料の入手と輸送から機械と作業員の適切な配備、完成品の流通と原価計算にいたるまであらゆる観点から分析している。バベッジは、さまざまな原理と事例を用いて工業生産の各段階に光を当てた。また、労使関係にも注目している。目的は、経済と効率について提言することだった。産業革命からわずか50年ほどしか経ていないのに、バベッジは産業の未来について、重要で有用な青写真を示したのである。残念ながら、既得権益を手にしている人々には、労働者や一般購買者の利益になるようなやりかたを導入する気などなかった。また、バベッジは現代の能率向上のエキスパートたちの十八番のような提言もしている」(①p84~85)
この時代に・・・
コンピュータも経営学も、直線でつながっているというわけではないようなのですが・・・
「機械と製造業の経済」の内容が気になるばかりです。
それにしても、チャールズ・バベッジは、トマ・ピケティの21世紀の資本にある「不労所得者」でしたが、
以前ブログに書いた小説の主人公のようではなく、その持てるものを十二分に活用した傑出した人物だったと、感じました。