その帯に、
成長産業化に必要なものはなにか
強い既得権、しがらみが存在する産業領域をどう変えるのか―。農協改革など、数々の改革に携わった著者が自らの体験を語り、農業と行政の進むべき道を問う。
と、あるように、
農業改革の更なる進展の必要性と、自らの行政での仕事において何を問題と捉えそれを解決するためにどう考えて政策としてきたのか、そして、これから政策を立案・実行する後輩たちへの熱いメッセージが込められた一冊です。
特に、第3章農協改革については、p.67からp.145まで、政策に関する記述のうち、大半を占めています。
特徴的だったのは、p.211からp.275まで、後輩たちへのメッセージとして、「第6章行政における組織運営」、「終章行政官の責任を果たすために」と加えて「あとがき」、組織の在り方と共に個の在り方について書かれていたことです。
改革派として語られる奥原氏が考える行政の立場、特に国政の立場は、強い義務感と強い責任感を感じられるものです。また、組織の問題や個の問題については、強い共感が得られるものです。
ただ、私自身が、民間の立場から、また3年8か月埼玉県庁で行政の末端を担わせて頂いた経験から違和感を覚えるところもありました。
(これについては、別に記事にまとめようと考えています)
とはいえ、農業者の方、農業分野に興味のある方、農業業界の関係者の方は、この本の情報はとても大切なものです。
さらに、分野を超えて行政に携わる方には読んで頂きたい内容です。