ブームになったのを知って本を買ってから読み終わるまで三か月かかりました。
きちんと文字を追って内容を把握したかったので、通勤のカバンに入れてノルマをかけました。
解説の雑誌も本も手に取らず、白熱教室は録画して見ないように・・・
きちんと文字を追おうと思ったのは、「ゴリオ爺さん」という言葉がきっかけでした。
読み進めると、学生時代に勉強もしないで読みふけっていた文学書がふんだんに時代背景に使われていました。
まさか、あの時の読書が○十年もたって役立つとは・・・
「谷間の百合」からバルザックを読み進め、「ゴリオ爺」さんで嫌になり、ゾラに傾倒していった。
その理由は、資本所得というものが、あまりにも現実感がなかったから。
「高慢と偏見」という真実を突いたようなタイトルに比べておとぎ話のように感じた。
それも同じ理由。
それが、見事に経済学として説明されている。
文学書のナビゲーションがあったからだけではなく、示唆とエスプリに富んだ内容は、最後まで読むことをあきらめさせませんでした。
それにしても、ひっくり返した裏側が、ずいぶん汚れてしまいました。