オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

人の忌み嫌う場所にこそ、宝あり

2022-09-12 10:53:57 | 銀座の周旋屋

 

 生活保護を受けて暮らしていた身寄りの無い高齢者が、また一人亡くなった。

 あちこちでそんな古いアパートやマンションを管理していると、日常のことでもあるが、今回は8月の末に体調を崩して入院し、そのまま病院で亡くなった。

 区の福祉の担当と打ち合わせをして、これから動く。

 今回は孤独死して部屋で腐っていたとかではなく、病院で亡くなったから、残置の荷物の処分だけで済みそうだが、こういうことも日常のことだ。

 それでも親族や関わり合いのある者が後々に出てくることもあるので、キチンと合法的にやらねばならない。

 その生きた想いも背負って、20キロ以上はあるザックに積めて、この日曜日は岩山に登ってきた。

 岩山とは言っても、その行程の8割は薄暗い森の中の、滑る急斜面を延々と登って行き、梯子に簡易階段、鎖を掴んでエッチラオッチラ、こんちくしょう! くそったれ! で汗だくになり、息も上がっていた。

 登り始めが遅い時間だったから、最初からヘッドライトは用意してあった。

 右目が見えづらくなってるから、夕闇は視界が効かなくなる。

 だからヘッドライトを早めに点けて歩くことになる。

 下山時には、すでにそんな状況だった。

 趣味は登山、山ガール、楽しんでますというような、浮わついた軽薄野郎どもとは、担いでいるものも違えば、その重さも違う。

 早く走るなんて、出来るものでもない。

 山頂では、亡くなった者の想いを、天に還してやる。

 銀座の周旋屋が、何十年も続けている、浄化昇天の普通の行動ではある。

 寂しい孤独も、自業自得、挙句に自分のケツも拭けずに最期を迎えた者には、同情などないが、せめておいらが現世との縁をスパッと切ってやる。

 自意識過剰で、自分に対する気持ちが強すぎる者たちばかり、その癖ナンの自信も持てない半端な自分を無に還してやるだけだ。

 あなたたちも、自分自身の最期を、モルモットのように生かされるだけで、キチンと自分で準備出来ている者はいないだろう。

 どんなに財産資産を抱えていても、おなじ惨状。

 それこそ、甘ったれた幼児と言う。

 

 今朝は8時から、うちが管理しているアパート5棟が建つ敷地の草刈りに、区のシルバー人材の老人たちが集まって、いっせいに作業を開始している。

 差し入れやらナニやらをしてきたが、入居者も身寄りの無い高齢者ばかり、関わる人たちも高齢者ばかり、時代を映しているようで、元気に怒鳴って大笑いして来た。

 

 俺のまわりでは、いつもこんな風にいろんなことが起きて、丁寧にこなして、また次の話に動き出す、終わらない、ゆっくりする時間の無い日常が、淡々と過ぎて行ってる。

 ひとつ終わっても、良かったね~と言いながら、もう次の話に首を突っ込んで行ってる。

 可笑しな話だが、こうやって63年を生きて来た。

 凄まじい時間の連続だから、身体もそろそろガタガタになってるさ。

 

 ネズミの害の苦情の処理も、ネズミ駆除専門業者など使わずに、近所の猫を飼っている連中から毛を集めて、それを四方に置くことで対応しているが、意外に効果がある。

 猫の毛を集めて、幾つかの小袋に詰めて、四方の隅に置いておく。

 原始的ではあるが、銀座では意外に効果はある。

 そんなこともやっている。

 

 共同トイレのドアが動かなくなったと苦情があり、外人世帯しか入ってないマンションで生ゴミを部屋の前に捨てる奴がいると苦情があれば英語で注意事項を貼り出したり、駐車場の管理看板が破壊された、雨漏れが始まった、エアコンが動かない、日常のトラブル対応だ。

 ビル・エントランスのアロエの木が伸びて邪魔、すぐにカマを持って刈り取りに行く。

 

 測量をしている現場では、隣の所有者の中国人が中国に行ってしまったから調印をもらえないとか、引っ越しと残置物の処分を同時にやってほしいだとか、キリの無い話題が毎日のように飛び込んでくる。

 この忙しい折に、前期高齢者の俺のところに、だ。

 

 身内のステージ4だった癌患者がひとり、癌を克服して、爺様も水曜日に大腸ステントの診察に連れて行くが、仕事でもあちこちから紹介の話が飛び込んで来ていて、本当に忙しい。

 

 人の忌み嫌う場所にこそ、宝あり。

 人の避け、見ないふりをする仕事にこそ、儲けあり。

 基本だな。

 



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