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<沖縄・高江を訪ねて>厳然とある「沖縄差別」 香山リカ(精神科医)/ 高江で連日の座り込み

2016-10-16 23:42:41 | 沖縄

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-375415.htmlより転載

<高江を訪ねて>厳然とある「沖縄差別」 香山リカ(精神科医)

 

米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯の建設工事が進められる現場を訪れた香山リカさん=2016年9月、東村高江

 沖縄は沖縄人のものだ。沖縄のことは沖縄人が決めればよい。東京に住む私は基本的にそう考えている。

 しかし、いま辺野古や高江などで沖縄人の自己決定権が根底から奪われる事態が起きている。それについて本土のマスコミは多くを報じず、一般の人たちの関心も必ずしも高くない。なぜ日本の一部である沖縄県で起きている事態に、本土の人たちは目を向けようとしないのか。それは、どこかで「沖縄は(本土とは)別だから仕方ない」という気持ちがあるからではないか。実際に、昨年は人気作家が自民党の党本部を会場として開かれた会合で、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」となどと発言したこともあった。

 これらは沖縄に対する差別の意識に他ならない。私は精神科医だが、障害者への差別の問題にかかわってきた身として、日本の特定の地域に向けられている差別を看過することはできないと考え、“高江の現実”を見るために短期間であったがヘリパッド建設が進められている地区に赴いた。

 私が想像していたのとは違い、高江での抗議には「国会正門前の広場」といった拠点があるわけではなく、広大な米軍北部演習場を囲むフェンスのいくつかのゲート前や工事車両が通る道路などに市民が小グループを作って分かれ、それぞれの立場で抗議活動をしていた。座り込みをする人たち、ひとりプラカードを掲げる人、工事関係者の出入りをチェックする人などがいたが、いずれも組織だって行動しているわけではない。しかもその多くが高齢者で、ネットでしばしば伝えられるような暴力的行動はいっさいなかった。

 驚いたのは、彼らを取り囲む警察官や機動隊員の多さだ。「全国から500人」とも伝えられている屈強な隊員を乗せてきた車両のナンバープレートには、東京や大阪、愛知などの地名が書かれている。

 機動隊員は、座り込みをする市民をいわゆる“ゴボウ抜き”とやり方で、強制的に排除していた。ひとりが脇に手を入れ、別の隊員が足を持ち、まるで荷物を運ぶようにその場から道端に移動させる。暴れるなどして強く抵抗する人はいないが、みな悔しそうな顔をしていた。

圧倒的な力に恐怖

 そして東京に戻る朝、私自身も強烈な経験をすることになった。砂利を運搬するトラックを監視する自家用車の隊列に加わっていたところ、機動隊に突然、停車を命じられて車の前輪に車輪止めをつけられ、3時間にわたってその場から一歩たりとも動くことを許されない、という拘束状態に置かれたのだ。そこから動けない理由を尋ねても、仕事の都合があると言っても、いっさいの答えはない。同じように移動を禁じられた高齢女性が「トイレに行きたい」と訴えたが、それでも「動かないで」と同じ言葉が繰り返された。どんどん気温が上がり、車内に座っていて体調を崩し外に出て座り込んだ若い女性は、涙ながらに「おかしいじゃないですか。どうしてトイレにも行かせてもらえないのですか」とつぶやいていたが、それにも答えはない。私も「飛行機の時間が迫っている」と言ってみたが、「何時の便ですか?」といった人間らしい会話が始まることはついになかった。

 私自身、恥ずかしい話だが、ここまで顔や名前を持つ「個人」として扱われなかった経験はなく、圧倒的な力の前に言葉さえ通じないことの恐怖を身をもって味わうことになったのだ。

 その後、抗議する人たちの逮捕が続き、現在も演習場内で伐採が進められている森に入って防衛局員と対峙していた男性が「傷害」の容疑で逮捕され、名護署での勾留が続いている。彼と行動を共にしていた人に直接、話を聴く機会があったが、容疑に相当するような暴力的な行為などはなかったという。

 もし、これが東京で起きていたらどうだろう。突然、自動車を止められて動かぬように拘束させられたり抗議活動中の接触などで逮捕されたりしたら、「人権侵害だ」「権力による弾圧だ」と大騒ぎになるはずだ。それがなぜ、本土の人たちは「沖縄なら仕方ない」「抗議する側にも問題がある」といった雰囲気となり、目を背けようとするのか。これは紛れもなく差別であろう。日本国内にこれほど厳然とした特定地域への差別があることのおかしさを本土の多くの人たちに知ってもらうのが私の役割だ、といま強く思っている。

(香山リカ 立教大教授・精神科医)

 

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琉球新報辺野古・ヘリパッド問題取材班 @henokonow

10月15日午前8時すぎ、北部訓練場N1ゲート前で毎週土曜日の拡大集会が始まっています。市民ら約200人が座り込んでいます#高江

 
 琉球新報認証済みアカウント @ryukyushimpo 10月12日

高江で300人座り込み うるま、那覇市からも参加 正午まで砂利搬入なし

 
 
琉球新報 @ryukyushimpo 10月11日

高江で220人座り込む 県外から150人参加、反対に共感

 
 
 
 
 
 
 
 

【新潟知事選】米山氏が初当選 その勝因は・・・ /米山氏「原発再稼動は認めず!」 〔NHK新潟のニュース2016.10.16〕

2016-10-16 23:42:20 | 沖縄

NHK 新潟のニュース

 

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NHK http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033560211.html

10月16日 22時51分

米山氏「原発再稼動は認めず」

新潟県知事選挙で初めての当選を果たした米山隆一氏は「皆さんからいただいた思いをひとつひとつ真摯に丁寧に全力で形にしていく。
原発再稼働の話がきっとすぐに来るが、約束したとおり命と暮らしを守れない現状で認めることはできないとはっきり言わせていただく」と述べました。

 

NHK http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033560201.html

10月16日 21時55分

米山氏が初当選 その勝因は

米山さんの一番の勝因は、福島の事故を起こした東京電力による原発再稼働に、一貫して慎重な姿勢だったことです。
原発の周辺だけでなく新潟市など都市部の有権者からも事故への不安が聞かれる中、米山さんは、こうした層に響く形で、東京電力に厳しい姿勢で臨んだ泉田知事の路線を継承すると訴え、幅広い支持を集めました。

 また、原発から離れた地域では、TPPなど与党が進める農業政策への批判の受け皿にもなり、得票を伸ばしました。
選挙戦では、共産党と社民党の全面支援のもと自由党の森ゆうこさんが選挙対策本部長を務め、再稼働に慎重な若い母親世代や市民団体の支援を受けながら、終盤には自主投票の民進党の国会議員も応援に立つなど、野党が共闘する形に広がりを見せました。
米山さんの勝利は、原発の再稼働に慎重な有権者の姿勢が、浮き彫りになった結果だといえます。

 一方、森さんは、自民党の中にも泉田知事を支持する議員がいるなど、自民党が組織力をフルに発揮して森さんを支援することは、最後までできませんでした。
原発についても森さんは、選挙期間の大半で「県民の安全を最優先する」と述べるにとどまるなど態度を明確に示せず、訴えも、インフラ整備や国との連携などが中心で、原発再稼働に関心を寄せる無党派層への支持を広げることはできませんでした。

 <参考画像>2016.10.16 投票日出口調査・・・自民からも支持が

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黒川敦彦さんFBより

もちろん、米山隆一はすごい!

けど、森ゆうこ、すごい!

森さんのプロデュースがなかったら、

...

こんな短時間で、県知事選を勝つなんて不可能だ。

今回のケースは、特殊ではあるけど、

でも、選挙史に残る、歴史的な戦いだった。

関われて、本当に勉強になった。

 
 
村上 さとこさんFBより

新潟知事選、米山候補が当選!
 電話かけをしていても反応がとても良かったです。
「米山さんしかいない。絶対に投票します」という言葉を何度も聞き、その度に嬉しくて泣きました。
反原発であり、国に対して堂々と物申していくという米山さん。
この当選は「新潟から日本が変る」という希望の誕生でもあります。
森ゆうこさんと共にブレずに進んでほしいです。

首長選で非自民が当選することの意味は本当に大きく、官邸は今頃大慌てでしょう。
官僚出身の泉田前知事と違い、行政経験のない米山さん。
手練手管に長けた体制に取り込まれないよう、全国から米山・新知事を支えていきましょう。

 
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座間宮メッセージ。新潟知事選について:

民進を批判する人もいるけど、結果として終盤民進が精力的に動いたことは忘れてはいけないと思う。ムードが相当変わったのではないか。...
 
つまり、推薦を出すかどうかでもない、ということが言えると思う。推薦を出さなかったからこそ、選挙にドラマが生まれたことも忘れてはいけない。

つまり、野党共闘が完璧であるかどうか、と勝敗には、因果関係は考えない方がいいということも言えると思う。不完全であっても勝ちは勝ちだ。

民進が連合とともに推薦した場合、妙なムードになって戦いにくかったかもしれない。

選挙は生物であり、最終的に勝てば良いのだ。
 
最初から民進が推薦を出した場合、選挙戦略の立案の過程で膠着していた可能性もある。
すっきり方向性を決めてから、民進が乗ってくるというこの順番で、いろんなことが可能になった可能性もある。
常に、1つとして同じ選挙はない。金太郎飴のような発想ではなく、引き出しを多くしておきたい。
 
うまく連合を切り離し、支援に回った民進党は評価される必要がある。そういう戦いが増えていくと。ムードは変わっていく。電力総連の連合離脱になれば面白いことになる。

連合の推薦は全会一致が原則。電力総連の票が少なくても力を持てるのはこれが理由です。電力総連の推薦だけを断るには、その他の労組の支援を個別に全て自分でアポを取り付けなくてはいけなくなります。大変な手間です。連合の推薦をまるっと受ければ、全ての労組を回るマイクロバスまで準備されます。

 

必読。

→「原発再稼働を認めない」 新潟県知事選挙米山氏の勝利の意味は限りなく大きい http://www.huffingtonpost.jp/nobut…/niigata_b_12513424.html…

 投稿日: 2016年10月16日 23時01分 JST 更新: 2016年10月16日 23時20分 JST PHOTO

時事通信社

 

 

 

 


【新潟県知事選】 原発再稼働反対を訴えた米山隆一氏当選!!!やった…すごい! 新潟県民の良識に感謝!!(2016.10.16午後9時過ぎ)

2016-10-16 21:39:52 | 都知事選 県知事選 市長選

 
30分前 ·
 
やった…すごい!   新潟の方々に感謝!!

 

<関連>

新潟知事選 米山氏の当選確実 | 2016/10/16(日) 21:25 - Yahoo!ニュース

写真・図版
米山隆一氏の当選確実の一報が流れ、喜ぶ支持者ら=16日午後9時3分、新潟市、諫山卓弥撮影

 

 

 

 

 

 


覚悟も見識もない稲田防衛大臣!矛盾突かれ答弁で涙…専門家「ボロが出た」〔毎日新聞2016.10.14〕

2016-10-16 16:33:02 | 政治 選挙 

情けない!覚悟も見識もない稲田防衛大臣!


毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20161015/k00/00m/040/177000c

 

矛盾突かれ答弁で涙…専門家「ボロが出た」

 毎日新聞2016年10月14日 23時47分(最終更新 10月15日 07時54分)

 
辻元清美氏の質問にうつむく稲田朋美防衛相=国会内で2016年9月30日午後2時54分、藤井太郎撮影
 
 
 
野党が問題視する稲田氏発言
 

質問の辻元氏「うろたえる大臣……国益を損ねている」

 8月に入閣した稲田朋美防衛相を巡り、開会中の国会で、過去の発言と防衛省トップとしての言動の食い違いがクローズアップされている。発言の矛盾を問われ、答弁で涙ぐむ場面もあった。安全保障法制のもと、自衛隊は駆け付け警護など新たな活動領域に踏み込む。それを指揮するトップに不安の声が上がっている。【遠藤拓、三股智子】

 野党は稲田氏に対し、9月30日の衆院予算委員会での辻元清美氏(民進党)による質問を皮切りに、日米安保や日本の核武装、尖閣諸島問題などを巡る過去の言葉を引用し、防衛相としての見解を繰り返しただしてきた。そのたびに稲田氏は政府の公式見解を述べ、過去の発言の修正に追われる印象を与えてきた。

 「こうした人物に我が子を預ける親は、私に限らず不安だろう」。陸上自衛官の次男を持つ北海道千歳市の50代の女性は懸念を口にした。「自衛隊などについて防衛相になる前からさまざまな発言をしていたが、言うことがくるっと変わった。南スーダンの訪問予定も体調を理由にキャンセルし、批判されれば慌てて訪問する印象だ」と話した。

 専門家はどう見るのか。

 軍事評論家の前田哲男さんは「資質もないのに大臣となり、ボロが出たのだろう」と厳しく指摘した。「防衛相には憲法と日米安保体制に折り合いを付ける覚悟と見識が求められる。稲田氏は、そのどちらも持ち合わせていないようだ。そこが野党側に狙われた」と分析する。

 一方、坂元一哉・大阪大大学院教授(国際政治学)は「日本独自の核保有を巡る発言は稲田氏が大臣になる前の発言だ。ここまで問題にするのはいかがなものか」と野党側の姿勢に疑問を呈し、「大臣になって間もない時期であり、まずは職務に専念してほしいと思う」と話した。

 稲田氏が涙を浮かべたのは9月30日。辻元氏が8月15日(終戦の日)の全国戦没者追悼式を欠席した理由をただした時だ。稲田氏は海賊対処で自衛隊の駐留するアフリカ・ジブチを訪問中だった。

 辻元氏は「涙を浮かべ、震えていた。矛盾を突かれ、答弁しようがなかったのだろう。うろたえる防衛大臣を世界各国はどう思うか。国益を損ねている」と指摘する。

 一方、菅義偉官房長官は記者会見で「高い緊張感をもって職務を果たしている」と擁護した。

 




【福島原発】飯舘村、村長選挙は10月16日です。/飯舘村 “子ども5人に57億円”の仰天施設に村民の怒り〔女性自身〕

2016-10-16 01:03:57 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕

 飯舘村長選挙についての情報はこちらで

http://iitate-senkyo.info/

 

飯館村 村長選挙公報
http://www.vill.iitate.fukushima.jp/saigai/wp-content/uploads/2016/10/b5b3499e268ef0285f3f2f12f8ff80e64.pdf

 

【追記】残念な結果に!惜敗
飯舘村長に現職・菅野氏6選 新人・佐藤氏を破る

 福島民友 2016年10月16日 21時46分

 任期満了に伴う飯舘村長選は16日投票が行われ、即日開票の結果、ともに無所属で、現職の菅野 典雄 氏(69)=5期=が、前村議で新人の佐藤 八郎 氏(65)を581票の差で破り、6選を果たした。任期は27日から4年。
 投票率は70.84%で、市町村合併の是非を争点とした前回12年前の同村長選の投票率90.09%を19.25ポイント下回った。

 

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女性自身http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/disaster/25967より転載

福島県飯舘村 “子ども5人に57億円”の仰天施設に村民の怒り

投稿日: 2016年10月15日 06:00 JST

「すぐに戻る人はほとんどいねぇ。汚染物が入った黒い袋を見たら、戻りたくなるから」(60代・男性)

「避難指示が解除されたら、90歳の母だけ村に戻るんだ。高齢者は、住み慣れた土地がいちばんいいからね。その孫にあたる息子は、放射能のことが心配だから戻らないって。私も戻りませんが避難先と村を行ったり来たりしないと」(60代・女性)

 

原発事故の影響を受け、全村避難中の福島県飯舘村。来年3月で避難指示が解除されるが、村民の声を聞くと解除後も、帰村には高いハードルがあるように見える。そんな飯舘村で、12年ぶりとなる村長選挙が10月16日に行われる。飯舘村の人口は約6千人。福島第一原発から約60キロメートル離れているが、事故後たくさんの放射能が降り注ぎ、村は高濃度に汚染された。にもかかわらず避難指示が遅れ、村民は無用な被ばくをさせられたことで注目を集めた。現職で5期目の菅野典雄村長(69)は、この12年間、無投票当選を重ねている。対立候補が立たなかったからだ。原発事故前は、“までいライフ”(手間ひまを惜しまない生活)を掲げ、村民参加型の村づくりを行ってきた菅野村長。村民の信頼も厚かった。

 

「どんな人でも5期20年も村長を務めたらダメ。村民の声に耳を傾けなくなるから」

と、ある村民が話すように、原発事故後の5年間は、「復興」に邁進するあまり、今年8月には、約8億5千万円も復興関連予算をつぎ込んで、村に公民館を新設。“ハコモノ政治”と批判を呼んだ。9月にもその“ハコモノ政治”に拍車をかけるような驚くべき事実が明らかになった。 '18年4月から、村内で0歳~15歳までの一環教育を開始するために、幼保一体型「認定こども園」を新設するというのだ。それを含めたスポーツ公園など周辺教育施設の予算総額は、57億円。費用は国に要求するという。

 

「お金をかけても、その施設が子どものためになればいいが、放射能の不安がある場所に、子供を連れて戻れません。そういう考えの親が多いと施設もムダになってしまいます」

こう話すのは、飯舘村から福島市に避難中の山口桂子さん(仮名・40代)。

 

村が昨年末に実施した保護者アンケートでは、村内で再開する学校に子供を通わせる意思を示したのはわずか64人。うち、「こども園」への入園年齢に該当するのは、たった5人。しかし、村が建設する予定の「こども園」の収容人数は139人。定員充足率はたったの3%だ。こうした“ハコモノ政治”に待ったをかけようと立ち上がったのが、飯舘村の村議会議員を6期23年間務めた佐藤八郎氏(64)だ。

 

「年間被ばく量が、一般公衆の限度とされる年間1ミリシーベルト以下になるまで避難指示を解除すべきではありません。子供については、一貫教育はいいが、村に戻すなんて論外です。まずは、生活保障と医療費の無償化を求めていくべき。すべてにおいて村民の声を聞いてそれを生かす村づくりが必要です」

 

現在、飯舘村では、国の直轄で除染が進められているが、先日、記者が測定すると、地上1メートルで、原発事故前の約30倍に値する毎時1マイクロシーベルト近くあるところも少なくなかった。加えて、飯舘村には現在、除染で出た土や枝などが入った黒い“フレコンバッグ”が約230万個あり、中間貯蔵施設に運び出されるまでに30年かかるとも言われている。

 

「村がいくら総額57億円をかけて立派な教育施設をつくっても、村に戻って子供を通わせようと言う人は、私のまわりではいません。私も、自分の子供は通わせません」

そう話すのは、飯舘村から福島市に避難中の北村昌也さん(仮名・40代)。

 

飯舘村には幼稚園がふたつ、小学校が3つ、中学校がひとつあったが、原発事故後は、福島市と川俣町の仮設校舎に分かれて授業を行ってきた。北村さんは現在、小学生の子を川俣町の仮設校舎に通わせているが、村で学校が再開されたら転校させると話す。

 

「卒業まであと一年だからと、割り切って通わせる保護者はいますが、実際は64人も戻らないでしょうね。やっぱり健康被害が心配ですから」

こう話すのは、前出の山口さん。

「57億円も使えるなら、飯舘村と比べて放射線量が低い川俣町の近くに学校を建てるなどしてほしかった」ともらす。

 

別の村民は、「帰村したくないと言っている子供を戻すために57億円も使うなら、ひとりで村に戻ることを不安に感じている高齢者が安心して暮らせる集合住宅を建ててほしい」と打ち明けた。村の発表によれば、こども園をはじめとした教育関連施設の維持経費は、年間約2千500万円。いずれ、村の財政を圧迫することになるのでは――。村民が抱く不安や不満について菅野村長を直撃した。

 

「金額が一人歩きしていますが、もともと村内にあった幼稚園や学校を取り壊して一カ所に集約するので、そこで浮いた維持経費を回します。そもそも、一貫校にするというのは保護者の希望。私が勝手に決めたのではなく、保護者も参加する委員会で、何度も話し合って決めたことです」

 

菅野村長の説明によると、新設するのは「こども園」だけで、57億円の中には築30~40年の老朽化した校舎の改築費用、環境省では予算が付かないコンクリートの除染費用などが含まれるという。

「懸命な除染が続いていますから見て行ってください」

村長はそう言うと、窓の外を指さした。

 

しかし、記者が事前に、除染の責任者の男性に「放射線量は下がりますか?」と尋ねたところ、「下がらないよ! 飯舘村には、(除染でここまで下げるという)目標の数値はないから」という心もとない答えが返ってきた。

 

「年々、戻りたいという子供が減っていることはたしか。保護者の意見を聞き入れて、あと3~5年、学校の再開を伸ばしたら、子供は戻ってこなくなります。村民よりも、村が大事なんだろうと言われるが、村のことも村民のことも考えるのがリーダーの役目。村民の言うことだけを聞いていたら、前に進まないし、村は寂れていくばかりです」

 

村長は、そう述べたうえで、「もし健康被害が起きたら、黙っていません。でも、多くの専門家が、今のところは、放射能の影響は考えられないと言っている」と結んだ。

 

村長選対抗馬の佐藤氏は、

「国が避難指示解除を急ぐのは、賠償を打ち切って、安く早く原発事故を終わらせたいから。私たちは被害者なのに、なぜ加害者が決めたことに従わないといけないのか。私が村長になったら、村民の声を聞き、国や東電と交渉していく」と反論する。

 

村で「ゑびす庵」という食堂を長年営んできた高橋義治さん・ちよ子さん夫妻は「帰村派」だ。それでも今の村のあり方に不満を述べる。

 

「立派な公民館を作ってくれたのはありがたいが、年寄りには使いにくい。それより、地区にひとつでもいいから、食品の放射能測定器を置いてほしい」

 

震災後に被災地で進む“ハコモノ偏重”と“住民不在の政治”にストップがかけられるのは、村民の一票だ。選挙の行方を見守りたい。

 

取材・文/和田秀子

 

飯舘村長選挙についての情報はこちらで
http://iitate-senkyo.info/

 

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