この本はホントに凄いですよ。物凄く重いですけどおススメです。
私がイスラエル現地や日本で出会ったひとりひとりのイスラエル人はとてもフレンドリーな人たちだったのに、なぜパレスチナ人にはあんなにも酷い事が出来てしまうのか?という、どうしても知りたかった疑問の答えがここにありました。ー野本 詩織ー
沈黙を破る―元イスラエル軍将兵が語る“占領” 単行本 – 2008/5/9
オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。 http://syuklm.exblog.jp/26296555/ より転載
2016年 10月 22日
繰り返される心ない暴言と差別。「モグラ叩き」を終わらせる道は?
高江で、「神の棲むやんばるの森」が
法的根拠もなく伐採され禿山にされて
ヘリパッド建設が強行されるのを止めようと
集った人たちに対して投げつけられた、
「土人」「シナ人」という言葉。
本当に、沖縄の人たちに対して、
恥ずかしく申し訳ない気持ちで
いたたまれずにいます。
その差別発言をした大阪府警の2人の警官と、
大阪府警に非難が集中。
彼らをねぎらった松井・大阪知事のツイッターは炎上。
「大阪人は差別主義者」という排斥まで広がる事態に。
しかし怒りの矛先をそこに向けて罵倒しても、
それだけでは解決しないのではないか…と感じます。
なぜ、こんなことが繰り返されるのか、
そのことに向き合わないと。
大阪だけが特殊なのでしょうか?
そうではないと思います。
沖縄で、大阪府警の若い彼らに、思わず
「土人」「シナ人」と発言させたのは誰なのか。
それは本土の私達じゃないのでしょうか?
私達が、ヘイトスピーチや沖縄差別を
ずっと放置してきた当然の帰結だと思います。
暴言を吐いた彼らを免職しても、単なるトカゲのシッポ切り。
松井大阪知事や、問題と思っていない鶴保沖縄相を
攻撃しても、ただのモグラ叩き。
また違う人間が現れるでしょう。
自分たちは安全地帯(本土)にいて批判するのは簡単です。
そういう本土の側が変わらなくてはならないのではないか。
なぜそうやって平気で相手を扱えるようになってしまうのか、
そこにスポットを当てていかないと。
治外法権のような異常な状況下に置かれると、
人はいとも簡単に人間性を失っていく。
「もし普通の生活のなかで誰かがそんなふうに、
他人のことを扱ったり、
人の財産をぶっ壊すのを見たりしたら、
止めろと言ったでしょうし、
警察を呼んだりとか、何かするでしょう。
自分はそのように育てられましたから。
でも、任務地では私は何も言わない。
そこでの現実がどれほど退廃しているかを象徴する一例です。
そこでは誰もが、その人なりの時間をかけて、
その人の程度なりに、みな無感覚になっていくのです。」
「今のオレの仕事はこれで、やるしか仕方がないんだ!
俺にはどうすることもできない。
俺には何もできないんだよ!」
これは高江の警官たちの発言ではありません。
イスラエルの若い兵士の告白です。
(ベトナムのアメリカ兵も同じ精神状態だったそうです)。
ついこの間までニンテンドーのゲームをやってたような若者が、
現地のことなど詳しく知らずに仕事で放り込まれて、
人間的に壊れて差別意識を助長していく。
それと同じような構造に追い込んでるのは
私達じゃないのでしょうか??
随分以前に書いた記事ですが、
よろしけばヒントとしてご一読ください。
「自分がモンスターだと自覚したら、次の日には2度と起き上がれないだろう」。イスラエル元兵士が語る占領の実態その2↓
http://syuklm.exblog.jp/25224861/
イスラエル・若い兵士が思わず口にした「心の声」とは。↓
http://syuklm.exblog.jp/23173252/
当記事の参照元:イスラエル元兵士へのインタビューはコチラです↓
土井敏邦さん著「沈黙を破る 元イスラエル将兵が語る”占領”」
2008年・岩波書店発行

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