新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

小形シロカモメ 第4回冬羽

2015-02-02 09:41:53 | カモメ科
 シロカモメ 学名・Larus hyperboreus 英名・Glaucous gull

 シロカモメは,新潟では比較的数の少ない大形のカモメの仲間です.ここで紹介するシロカモメは,1月25日,新潟県長岡市の漁港で,カモメ観察の先輩と発見したもので,2015.01.27「日本海のカモメ シロカモメ 第4回冬羽」と題して投稿したものと同じ個体です.前回の投稿では,「小形のシロカモメが妥当だろう」と結論付けました.今回の投稿は,翌26日に再訪し,観察した結果に基づくものです. 
 シロカモメは,いくつかの亜種に分類されているようですが,日本に渡来する亜種は,シベリアで繁殖するシロカモメ Larus hyperboreus pallidissimus とされています.しかし,シロカモメよりも小型のシロカモメが渡来していることも周知のことで,この小形のシロカモメは,アラスカの北東部で繁殖する亜種, L.h.barrovianus (アラスカシロカモメ)ではないかといわれています. L.h.barrovianus(アラスカシロカモメ)について具体的に言及した資料は少なく,目にすることができたのは,氏原巨雄・氏原道昭著「カモメ識別ハンドブック改訂版」(文一総合出版)のみでした.同ハンドブックによると,L.h.barrovianus は,「やや小さく,翼は長めで,背は少し濃い」ということです.
 私なりに検討した結果は,シロカモメ L.h.pallidissimus とは,はっきりと区別できるが,L.h.barrovianus と言い切ることはできない.現時点では,小形シロカモメとするのが妥当である.というものです.前回の投稿と同じ結果になったわけです.

 小形シロカモメ 第4回冬羽.一見,アイスランドカモメに似ています.シロカモメよりも嘴が小さく.細いのですが,アイスランドカモメよりは長いようです.頭の形は,アイスランドカモメよりも丸みがなく,シロカモメに似ています.シロカモメよりも初列風切の尾からの突出が大きく見えます.足は短めですが,アイスランドカモメほど短くはないようです.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県長岡市


 小形シロカモメ 第4回冬羽.オオセグロカモメの第1回冬羽?と並びました.明らかに大きさが違います.特に頭の大きさが違います.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県新潟市


 小形シロカモメ 第4回冬羽.オオセグロカモメの第1回冬羽と並びました.体の大きさが違います.特に,嘴が細く,短く見えます.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県新潟市


 小形シロカモメ 第4回冬羽.オオセグロカモメの第1回冬羽が背後から飛んで来て,小型シロカモメも飛び立ちました.明らかに大きさが違います.しかし,翼の長さは同じくらいか,より長めに見えます.小形シロカモメの方が,手前だからでしょうか.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県長岡市


 小形シロカモメ 第4回冬羽.オオセグロカモメの第1回冬羽が背後を飛びました.大きさが違うのがわかります.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県長岡市


 小形シロカモメ 第4回冬羽,ウミネコ成鳥と並びました.ウミネコよりは大きいですが,足の長さはほとんど同じくらいに見えます.
撮影日時 2015.01.26 撮影場所 新潟県長岡市


 小形シロカモメに興味をお持ちの方,コメントをいただけるとうれしいです.カモメ類については,初心者です.識別等について間違い,勘違い等多いと思います.忌憚のないご指摘,ご意見をお待ちしています.
 今回は,識別について若干触れましたので,文章が堅苦しくなったかと思います.この個体については,沢山写真を撮りましたので,次回は,小形シロカモメの魅力ある姿を投稿したいと思います.