私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

内戦期の黙想 Ⅶ

2011-08-28 22:10:09 | 英詩・訳の途中経過
Meditation in time of Civil War W. B. Yeats



I see Phantoms of hatred and of the Heart's Fullness and of the Coming Emptiness

I climb to the tower-top and lean upon broken stone.
A mist that is like blown snow is sweeping over all,
Valley, river, and elms, under the light of a moon


内戦期の黙想   W・B・イェイツ

    Ⅶ

憎みと心の充ちたりと来たる虚しさのまぼろしをみる


おれは高楼のいただきにのぼってくずおれた石にもたれる
霧がながれる雪みたいにすべてをおおいかくす
谷間や河やにれの木立を 月の明かりのしたに



  ※なぜか長いののパートⅦから。これが気に入ったのです。
   参考書籍によりますと、この作品は1923年発表、前年の1922年からイェイツの故郷アイルランドで内戦が起こっているそうです。原因はむろん英国の支配を受け入れるか否か。あとでもう少し詳しく確かめてみたいところです。
 
 しかし、自分で選んでおいてなんですが、私はどうしてイェイツの一人称をいつも「おれ」にしたいのだろう……? コールリッジなんかは比較的「ぼく」なのですが。日本語はむつかしい。

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