私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

灰の水曜日    五部 1~10行目

2009-10-02 17:57:38 | 英詩・訳の途中経過
Ash-Wednesday T.S.Elliot

Ⅴ[ll.1-10]

If the lost word is lost, if the spent word is spent
If the unheard, unspoken
Word is unspoken, unheard;
Still is the unspoken word, the Word unheard,
The Word without a word, the Word within
The world and for the world;
And the light shone in darkness and
Against the Word the unstilled world still whirled
About the centre of the silent Word.

O my people, what have I done unto thee.


灰の水曜日    T・S・エリオット

Ⅴ[1-10行目]

失われたことばが失われているなら ついやされたことばがついやされているなら
聞かれず 語られない
言葉が聞かれず語られていないならば
語られない言葉がいまだ在るのだ 聞かれていない言葉が
ことばなき言葉が この世の内に在る
この世のための言葉が
暗がりにかがやく光と 
言葉に背を向ける とどまらない世界が未だ廻りつづけているのだ
かたらぬ言葉の核のまわりを

 わがひとら 汝がため吾はなにをした


※結局これに戻りました。wordとworldだらけではやくちことばのようだ。どこかで取り違えていそう。
 十行目の読みは七・五で「ナガタメアレハナニヲシタ」です。「吾:アレ」という一人称が私は無性に好きです。「在れ」とか「生:アレ」とか妙に意味ありげな掛けことばになる気がして。そもそもそういう意味だったのだろうか? 
  



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