私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

失楽園 75~83行目

2019-11-23 19:27:16 | 英詩・訳の途中経過
Paradise Lost
Book I
John Milton

75 O how unlike the place from whence they fell !
76 There the companions of his fall, o’erwhelmed
77 With floods and whirlwinds of tempestuous fire,
78 He soon discerns, and whelt’ring by his side
79 One next himself in power, and next in crim,
80 Long after known in Palestine, and named
81 Beelzebub. To whom th’ Arch-Enemy,
82 And thence in Heav’n called Satan, with bold words
83 Breaking the horrid silence thus began.

75 おお何と異なる場所かかの者らの墜ちてきた元とは!
76 そこにて共に墜ちたる者らが 洪水と
77 旋風と焔に苦しめられるのを
78 かの者はすぐさまに見分けた そして己の傍らでのたうつ
79 力においても罪においても自らに次ぐと
80 遥かのちのパレスティナで知られ ベルセブブと
81 名づけられたものを その者に対して大いなる敵は
82 それゆえに天にてサタンと呼ばれる者は 怖れを知らぬ言葉をかけて
83 恐るべき静寂〔シジマ〕を破りにかかった


*この辺りから代名詞の訳し方に苦労を感じ始めています。「彼」や「彼ら」はいかにも日本語の響きではない。が、「ベルセブブ」は更にさらに日本語の響きではない。
 念のため、81行目「大いなる敵」=「サタン」=「かの者」=「蛇」です。84行目からはサタンによるベルセブブへの呼びかけになります。元祖魔王の一人称を何にするべきか? 名前を云ってはいけない例のあの人は「俺様」だったか?


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