またまた百万遍
散歩の途中で見つけました。
奉唱般若心經壱百萬遍
般若心経を百万遍唱えたということです。
そして、この石碑には昭和の日付が彫られています。
昭和四十八年十二月吉日
先日、「百万遍石碑に昭和のものは見られない」と書きましたが、まちがいでした。
今回の般若心経を含め、光明真言、南無阿弥陀仏、南無大師遍照金剛、南無妙法蓮華経など宗派により異なりますが、百万遍という回数がお唱えするひとつの目安になっているようです。
この百万遍奉唱について調べてみました。
すると百万遍には二通りの方法、数え方があることが分かりました。
◎ 一つは 一人の人が真言や念仏を百万遍唱える方法です。
弘法大師空海が室戸岬の御厨人窟に籠もり修したという虚空蔵求聞持法は、虚空蔵菩薩の真言を一日一万遍、百日かけて百万遍を唱えるという荒行です。
◎ 他の一つは ある集団、例えば村とか講の複数の人が唱えた真言や念仏を合計して百万遍を数えるという方法です。現在四国八十八ヶ所霊場会が弘法大師宝号を88億回唱えるというキャンペーンを実施していますが、この類に入ります。
同じ百万遍でも、石碑に刻印された名前が一人であるか、または複数の名あるいは○○村中とか○○講中などの団体、集団名であるかで見分け方ることができます。
今回の般若心経は7人の方の名が彫られていますので、後者の方法になります。
またまた余計な下世話な話になりますが、
今回目にした般若心経は、百万遍を7人ですから 一人が1,000,000/7=142,857遍唱えることになります。般若心経一編を2分で唱えたとすると2分×142,857=285,714分=4,762時間、一日2時間とすると 2,381日=6.5年となります。6年半です。
誰にでもできるということではありません。
偉業といってよいのではないでしょうか。やはり石碑にして賞賛される価値はあります。
もし「では、あなたはやってみようと思いますか」と問われると
・・・ ・ ・ ・ ・ 。
まだまだ修行が足りていません。
十年か二十年後にはその気になっているかもしれません。
参考ページ
「百万遍念佛考 創唱と流傳」 坪井俊映
https://core.ac.uk/download/pdf/291807807.pdf
「百万遍念仏について 」 三田全信
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ibk1952/18/1/18_1_308/_pdf/-char/ja
「浄土宗大事典」
http://jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/%E7%99%BE%E4%B8%87%E9%81%8D%E5%BF%B5%E4%BB%8F
他