インナー Tシャツ
恥ずかしながら吸湿・速乾なる下着を初めて着用したのは、5年前のことです。それまで下着は長い間、季節を問わずクレープ地のステテコと半袖シャツで通していました。
吸湿・速乾という話は聞いてはいました。それでも人は人、自分が満足していれば、あえて変化は求めなくともよい、また新しいものがよいとは限らないという気もあり、買ってみようとはしませんでした。新しいものを受け入れたがらないという老化現象の始まり、思考能力の低下があったのかもしれまん。
5年前、人から勧められて試しに買った吸湿・速乾シャツは世間の噂どおりのすばらしい着心地、以来、夏場はずっと愛用することになりました。
そのとき買った3枚のシャツにほころびができ、先日買いに行ってきました。
店に行くと前と同じ銘柄のシャツが吊り下げられていました。
よく見ると、パッケージの大きさが違うだけで同じようなシャツ二種類がラックに吊り下げられています。値段、サイズ、品名や印刷された仕様は全く同じです。どう見ても違いがわかりません。
店員さんに聞いてみると「品は全く同じものです。しかし作られた年が違います。こちらが去年のもの、こちらが今年のものです」とすぐに教えてくれました。
おどろきました。店内におそらく何千と並んでいるだろう商品の中のひとつについてその違いを即、答えられたことです。プロとはこのような人のことをいうのであろうと思いました。
さて、製造年の違うこのシャツ、どちらを選ぶべきか。コンビニのおにぎりであればともかくも、一年の違いで自然劣化もなし、店員さんの前で商品を手にして考え込むのもみっともないし、とちょっとあせりもあり、パッケージの小さいものにしました。
すこしでもSDGsに貢献できるかと殊勝なことを思ったのですが、よく考えればパッケージの大きなものもいずれ誰かの手に入るのですから、結局どちらでもよかったのです。
どちらでもよいことにちょっと頭を悩ませた一瞬でした。
暑さだけのせいではなく、思考能力に低下があるのかもしれません。
(コンビニのおにぎりは手前のものを取っています。念のため)