1904
雑草雑感
この時期、ひと雨ごとに雑草がずんずんと勢いを増します。
手袋を外さなければ摘まめないような小さな芽も2週間もすると一人前の雑草に育っています。
畑に生える雑草は多種多様、年によってよく生える種類が異なるようです。今年はツユクサが勢力を拡げています。ちょっと油断すると雑草が本来の作物を覆い隠してしまいます。このところ毎日競争のように草抜きが続きます。
踏まれても踏まれても立ち上がる雑草のように生きろとかいわれていました。確かに通路に生えている雑草は土が固められることもあって、根が地面に力強く食い込んでいます。少々引っ張っても抜けません。
地面に広がった茎から根を伸ばす草は茎がすぐ折れます。残った小さな茎からまた四方へ茎を伸ばします。ドクダミの根は折れやすく、少し残ってもそこからまた新芽が出てきます。根に二十個ほどの小さな球根?をつけたムラサキカタバミは球根をばらさないように注意しないと砂粒のような球根からまた芽が出てきます。また黄色の花をつけるカタバミは種の房が乾燥するとぱちんとはじけておもしろいように飛び散ります。カヤツリグサは竹のように地下茎を伸ばしています。根をすべて掘り起こさないと、上だけ抜いてもどんどん増えていきます。
抜いた草は土地の養分を吸い取っていますので、そのままゴミとして捨てると、畑の養分を捨てているようなものだと聞きました。そこで乾燥させて堆肥に混ぜて畑に戻していました。ところがこの草をうずめた畑を掘り起こしてみると土にカビの菌糸のような細い筋がみえます。よく見ると雑草の芽です。10センチ、20センチくらいの深さからでも芽を伸ばしています。すごい繁殖力です。今では種を取り込まないように花がつく前に抜くようにしています。間に合わなければ花だけを刈り取り、種ができてしまったものは埋めずにゴミとして出すようにしています。
ドクダミは臭いがきつく、抜いても根が残ってまたすぐ芽が出てくるやっかいものですが、漢方の三大薬草のひとつです。ムラサキカタバミは今では要注意外来生物のレッテルをはられてしまいましたが、江戸時代には観賞用として珍重されていたそうです。
十把ひとからげで雑草と呼ばれ、じゃま者扱いされている彼等、彼等は彼等なりに精一杯生きています。
しかし、畑では申し訳ないけどやっぱり仇、まだまだたたかいは続きます。