「ギリシャ神話が誇る全能の父。しかしてその実態は、桁外れのスケベ爺だ」
昔、むかしの、そのむか~し、全てがはじまるず~と以前、ガイヤちゅう大地母神がおったそうな。
ガイヤは自分と対等な存在が欲しいと思うて、「天空・ウラノス」を生んだそうじゃ。そしてウラノスとの間に12人の子をこしらえたのじゃった。
ガイヤは自分と対等な存在が欲しいと思うて、「天空・ウラノス」を生んだそうじゃ。そしてウラノスとの間に12人の子をこしらえたのじゃった。
でも、このウラノスは子ども嫌いで、生れてくる子をガイヤの体内に押し込めようとしたんで、ガイヤは怒って末っ子のクロノスに鋼鉄の鎌を渡して、親父に天誅を下すように言いつけたのじゃった。
ウラノスから権力座を奪取したクロノスは、姉ちゃんのレアーと結婚したんじゃが、ガイヤとウラノスは、一つの予言をしたんじゃ。それはクロノスの息子の一人が、彼に取って代わるであろうと……
そこでクロノスは、生れた5人の子たちを次々に飲み込んでしもうた。レアーは6人目の子を身ごもったときに、クレーテー島に行って子を産み、クロノスには、産着で包んだ石を渡したのじゃった。そしてクロノスはなんも知らんで、その石を飲み込んだのじゃ。
クレーテー島で生れた子はガイヤの手でアイカイオン山の洞窟に隠されて、無事に育ったのじゃった。
この子が後にオリュムポスに君臨する全能のゼウスなのじゃ。
この子が後にオリュムポスに君臨する全能のゼウスなのじゃ。
ゼウスは親父のクロノスに吐き気薬を飲ませて兄弟たちを吐き出させ、彼らの音頭を取ってクロノス率いるティーターン族と戦い、10年後に勝利を収めるのじゃった。
そして一番上の兄ちゃんハーデースは冥界を、2番目の兄ちゃんポセイドーンは海を、自分は天空を支配することになったんじゃ。
オリュムポス山の頂に座するゼウスが手にしている雷は、こんときの戦いで、百目巨人キュクロープスより与えられた武器なんじゃよ。
と、まあ、ここまでは、彼がギリシャ神話におけるヒーローなんだけど、この「全能の父」の本領発揮するのはこの後なのだ。
彼の正妻は、それは非の打ちどころが無いくらい美しい姉のヘーラーなんだけど、ゼウスは奥さん一人じゃあ満足できなかった。
ちょ~っと可愛い娘を見つけると直ぐにムラムラする。目的達成のためには手段を選ばない。
嫉妬深いヘーラーの目をかいくぐり相手に近づくために、ある時は鳥、ある時は牛や馬、またある時には雨に変身する。挙句の果てに自分の娘にムラムラした時は、娘の亭主に変身してアバンチュールを楽しむのだ。(何て奴だ。うらやま…… い・いや、オ・オホン、けしからん、けしからんぞ!)
嫉妬深いヘーラーの目をかいくぐり相手に近づくために、ある時は鳥、ある時は牛や馬、またある時には雨に変身する。挙句の果てに自分の娘にムラムラした時は、娘の亭主に変身してアバンチュールを楽しむのだ。(何て奴だ。うらやま…… い・いや、オ・オホン、けしからん、けしからんぞ!)
こうして世界には彼の子どもである神や英雄が、そこいら中に散りばめられたんだよ。
もう、分かるよね。ゼウスが「全能の父」たる理由が……
もう、分かるよね。ゼウスが「全能の父」たる理由が……