ほとんど先入観のないままの鑑賞でしたが、これがおもしろいのなんの。
アクションシーンのほとんどない警察モノ。
今回の午前十時の映画祭は『夜の大捜査線』です。
殺人事件が起こった夜に、乗り換えの電車まちをしていたばかりに
犯人とまちがわれ、刑事だとわかったんだけど、
その解決に手を貸す(っていうかほとんど一人で解決)っていう話。
根本にあるのは人種差別なんだけど、
この感じは猿の惑星で猿が支配している世界に言葉を話す人間が迷いこんだような感じです。
黒人が白人の服をきてるぜとか、黒人がそんな高い給料をもらうはずがないとか。
でも、この黒人刑事がだんだん腕利きだということがわかって
まわりもちょっとずつ見る目がかわってきたり。
謎解きもおもしろい。
この警察があるのはアメリカの田舎。
町の感じや素朴な駅舎が素敵です。
飲み物はコークです。
レイチャールズの歌もいいし、修理工場の子供が黒人なんだけど
最初は後ろ向きで白人か黒人かわからないようにして修理工場の親父が車の下からでで来た時に
子供も正面から写して黒人だとわかるのはすごい撮り方だと思いました。
あとスナック(?)のマスターが輪ゴムでハエをとるのもおかしいし
こいつは輪ゴム好きということです。
それから署長がティブスに死体の鑑識を頼むところ。
「自分がやればいいじゃないですか。」
「専門外なんだ。」
これはこの町があんまり殺人事件のないところだったのかなと。
すべて知らない俳優陣でしたが、役のキャラクター設定がうまいのでほんとうにおもしろかったです。
さすが踊る大捜査線がタイトルをパクッただけのことがあります。
私はこの《夜の》というところが黒人をイメージしてるのかなと思いました。
この映画から40年あまり、オバマ大統領の誕生は隔世の感がありますね。
写真 左は警察署長で右は腕利き刑事のティブスくんです。どちらも独身。