
富士山が話題になってますが、富士山で最初に思い浮かぶ小説といえば武田百合子さんの『富士日記』です。
武田百合子さんは、作家武田泰淳さんの奥さんです。
百合子という名前から楚々とした人を思い浮かべてましたが、富士日記、読んでびっくり。
武田氏の別荘のある富士山ろくでの生活を綴った日記なんだけど、昭和40年代にしてすごくハンサムウーマンな人です。
たとえば、車の運転がうまい。
たとえば、花火大会の駐車のことで喧嘩してしまう。
たとえば、湖で泳いでしまう。
それでいてちゃんと奥さんしてて、でてくるお料理はおしつけがましくなくおいしそう。
関わりあう人間の観察もおもしろいです。
日記なので特に電車の中で読むのにいいです。
今は、百合子さんのロシア旅行の『犬が星見た』を読み返しています。
同じツアーの困ったじいさんの描写が秀逸です。
写真は『富士日記』3冊のうちの(中)と『犬が星見た』