先週末、箱根の富士屋ホテルに泊まってきました。
観光とかではなく、今回の目的はずばり富士屋ホテルに泊まること。数年前に泊まったことがありますが、とっても素敵だったのです。なので箱根観光は一切なし。ちょっとだけホテル近辺を散策したくらい。
箱根湯本までロマンスカーでリッチな気分。そのあと遅いお昼を湯本の老舗蕎麦屋の初花で。そして箱根北原おもちゃミュージアムを見学した後、いよいよ富士屋ホテルへ。箱根湯本駅から登山電車で宮ノ下駅へ。そこから歩いて数分です。
ホテルに着いたときは、もう日が暮れて真っ暗でした。しかも寒い!
結婚式があったようで、ウェディングドレスのお嫁さんがメイン階段で記念撮影していました。ここで式を挙げるとどれだけ費用がかかるんだろう…。
【富士屋ホテル・本館夜景】
こちらが今回宿泊する1891年に建てられた本館。確か前回も本館だったかな。
【本館階段】
客室フロアーへの階段にて。この重厚な雰囲気。洋館の階段マニア(?)の私としてはたまらない情景です。
【泊まった部屋】
そして今回泊まった部屋。広いし、何より天井が高い!レトロな洋服ダンスやランプ。柱の陰に見えているのはこれまたレトロな暖房用温水パイプです。もちろん現役で部屋を暖めてくれました。
【Barでアダルトな夜…】
ホテルにチェックインしたのが18時ころ。急いで荷物を部屋におろしてまず向かったのがBar。
ホテルのBarはどこも割高で、ここも例外ではないのですが、夕方5時から7時までは通常より安いサービスタイム。しかもこんなに早く飲みにくる人もいないので貸切状態です。
その後、ホテル名物のひとつ、ビーフカレーで夕食。
ここに宿泊するときは、Bar→夕食のルートがおススメです。
そもそも富士屋ホテルは、実業家山口仙之助が江戸時代からの旅籠藤屋を買収し、あらたに外国人専用ホテルとして富士屋ホテルをオープンしたのが始まりです。1878年のことです。
山口は慶応義塾で学び、彼にホテル経営(国際観光業)の道を進めたのは福沢諭吉だそうです。
・東京・横浜から近く
・外国人の憧れの地・富士山や箱根近辺
・温泉があること
以上3つの条件を備えたホテルが富士屋ホテルだったわけですね。
チャップリンやヘレン・ケラー、ジョン・レノンなどなど錚々たる顔ぶれが来館しています。
外国人専用なので、宿泊の基本的なところは洋風。そこに外国人が喜びそうな和を盛り込んだ和洋折衷のスタイルです。庭園は滝や池を配するなどほとんど日本庭園。明治から続く「おもてなし」。
【部屋からの朝焼け】
さて2日目。早起きしてみました。
朝食付きのプランだったのですが、多分、朝食は混むと踏んでオープンの7時半より前に食堂へ。でも別に混んではいなかった。前回来たときは混んでいた印象があったんだけど…。
【メインダイニングルーム「ザ・フジヤ」1930年】
メインダイニングルームは「ザ・フジヤ」と呼ばれています。こちらも戦前の建築。いかにも外国人が喜びそうな内装に囲まれて朝食を。洋食です。
【庭園の水車小屋】
朝食後、チェックアウトするまでの間に庭を散策しました。和をアピールするポイントがここかしこに。水車小屋は全国的にも、もう観光用にしか存在しないんでしょうかね。
【紅葉の池】
さすがに紅葉はほぼ終っていましたが、池にはまだその名残りが。こういうのも外国人、好きそう。
【山口仙之助像】
富士屋ホテルの創始者・山口仙之助の像。結構大きくて、立っているロケーションもいい場所なのに、ここで立ち止まる散策者はなし。ま、ホテルの創始者なんてふつう興味ないもんね(失礼!)
【富士屋ホテルの守り神】
関東大震災のとき、この井戸の水が宿泊者や従業員にとって文字通り「命の水」となったそうです。それ以来、ずっと守り神としてお祀りされているんだとか。
そんな感じで庭園散策も終了。チェックアウトの時間も迫ります。
今回は本館に泊まりましたが、次回は西洋館かな…。それとも花御殿かな…。
【本館・1891年 国の登録有形文化財】
【西洋館・1906年 国の登録有形文化財】
【花御殿・1936年 国の登録有形文化財】
ホテルの周りには骨董品や民芸品のお店があって、散歩するだけでも楽しいです。
たまにはホテルでのんびりするだけの旅行もいいものですね。