名古屋市と近郊に3校あるアート専門大学の卒展が愛知県美術館で、名古屋造形大学・大学院の卒展・修了展(19日まで)を皮切りに始まりました。若々しい発想とエネルギッシュな表現を味わうことができ、毎年楽しみにしています。
名古屋造形大のあと、名古屋芸術大が21日~26日、愛知県立芸術大が28日~3月5日まで、いずれも県美術館で開かれます。
名古屋造形大は日本画・洋画・彫刻・陶芸・コンテンポラリーアート・マンガ・アニメ―ション、それにグラフィック・インスタレーション・デジタル・建築・インテリア・プロダクト・ジュエリーの各デザインなどのコース。
どのコースの作品も学生展らしく、既成の素材や表現手法だけにとらわれず、独自の研究成果を創作に生かそうとしている姿勢が楽しくなります。
街づくりや生活関連製品などへの提案など、興味深く頬が緩む作品も。
例えばジュエリーデザインで見かけた指輪形の車のキー。説明には「スパイ映画をイメージして考案。1000万円以上の高級車に」。僕には縁が無いにしても、夢物語ではなさそうです。
他大学の卒展でも同様ですが、見る側に自分の作品をより理解してもらおうとする姿勢も気持ちのいいものです。この日も何点かの作品の前で足を止めると、次々に作者が作品のねらいや創作過程、思いなどを説明。質問にも的確に答えてくれました。
ある街づくりの提案に「よく取材しているね。作品だけでなく、君たちが地域で動いてくれるといいな」と、感想を口にした時でした。
「ええ、私も休みの日には街案内をやっています」。笑顔で見せてくれたスマホには、のぼりを手に活動している写真がありました。やや意地悪にもとれる感想を口にしたことへの反省と、学生の行動力に拍手する思いでした。