白い花を咲かせたような植物と、寄り添うように立つ大きな葉の植物。名古屋市農業センターのハーブガーデンで見かけた風景です。
よく見ると、花に見えるのはワタ(綿、コットン)、大きな葉はバナナです。
生っているワタを目にしたのは久しぶり。しかも、先の教室のスケッチ会でワタの糸で紡ぐ知多木綿の里(愛知県知多市岡田)へ出かけたばかりです。
ワタはアオイ科の多年草。淡い黄色がかったハイビスカスに似た花が咲き、実の中の種子を包むフワフワした白い毛がワタなのです。ピンポン玉大から大人の拳大ほどあります。
先の尖がった実の外見は渋い色ですが、皮がはじけると飛び出す真っ白いワタ。
園芸用の小柄の品種も開発され、綿花子(わたがし)とかコットンボールとか、可愛い呼び名もあって人気が出ているようです。
一方のバナナ。
「バナナは野外ではなく、すぐそばにある温室で育てるのでは」と思ったのですが、やはり農業センターは研究施設。
ワタのように野外で露地栽培できる耐寒性のバナナを、種から育てる研究をしているのです。
氷点下の冷え込みや積雪のある日本の冬を乗り越える耐寒性バナナ。研究開発はかなり進み、園芸用苗も市販されているようです。「国内産バナナ」を味わう日も遠くなさそうですね。