名古屋学芸大学メディア造形学部の映像メディア学科と大学院メディア造形研究科の卒業・修了制作展を、愛知県美術館で見てきました。
2002年の開校。映像メディア科の卒展に臨むのは15期生と歴史は若いですが、斬新で意欲的な作品を興味深く楽しませてもらいました。19日まで。
卒展のテーマは「mashup」。2つ以上の曲を重ねて1つの音楽を生み出すという意味ですが、映像メディア学科の映画やフォト、サウンド、アニメなど7つの領域を超えて互いに混ざり合い、より良い作品をとの狙いのようです。
会場に入って、まず足が止まったのは「点路」と題する作品。目隠しをし、ヘッドホンを付けて点字で描いた迷路を指でたどることで、点字への理解を深める「きっかけ」にとの狙いです。
地球規模での取り組みが課題になっているプラスチックごみをテーマにした作品も。海岸に打ち上げられた数多くのプラスチック製品や汚れた浜辺の写真などを並べて問題を提起しています。
焼き物の里・瀬戸の魅力を再発見しようとの力作も。カナダのモントリオールで展示会を開き瀬戸物について外国人の感想を聞いたり、瀬戸の窯元や作家らにインタビューした成果をまとめています。
面白かったのはジオラマの缶詰。子どもの頃の思い出や風景などを、小さなジオラマにして入れた缶詰は開くのが楽しみでしょう。
新しい買い物用自転車、さまざまな割りばしの紋様、「素材と接触感」をテーマにトイレット紙やレジ袋で作った時計のベルト、山の間伐などで流域の川や海を守るボランティアをしている父親の活動記録をまとめた作品・・・。
作品の多くが手に取って見ることができ、学生が話してくれる創作の意図などにも耳を傾けながら、卒展ならでは鑑賞を楽しんできました。