小舟や円球の浮き球がついたアート作品。背後の窓の眼下には中高層のビル群――。
ここは名古屋の金山総合駅南口前で、名古屋ボストン美術館もあった名古屋市都市センタービル11階の「まちづくり広場・企画展示コーナー」フロア。展示されているのは、市が近くを流れる殺風景な中川運河の河畔を市民憩いの場に、と進めているアート作戦(中川運河再生文化芸術活動助成事業 ARToC10)に呼応した若手作家たちの作品で1す。
1930年(昭和5年)に開通した中川運河ですが、流通手段の発達で役目を終えた現在は中小の金属加工工場や運輸会社の駐車場などが並び、日中も人影がほとんど見られません。
そこで、名古屋市は芸術の力で都心に集まる人たちが訪れる「にぎわいゾーン」にしようとさまざまな取り組みを進めています。
都市センタービルでのアート展もその一つで、運河の水面に浮かぶ立体作品など若手アーティストの傑作を28日(日)まで展示しています。
この他にも秋にかけて、運河沿いの西宮神社を舞台に「人と神社と運河をつなぐ」をテーマにしたコンサートや堀止緑地でのアートキャンプ、リサイクル製品をアート作品にするワークショップ、完成したオブジェを中川運河の起点である堀止船溜まりの湖面に浮かべるなどのイベントが予定されています。