風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「300万本のヒガンバナと田んぼアート=童話『ごんぎつね』のふるさとへ」



久々に広がった青空と日差しを受けて

ヒガンバナと田んぼアート

たわわに実った稲穂と

「ごんぎつね」で知られる童話作家・新美南吉の故郷で、300万本のヒガンバナが彩る愛知県半田市岩滑(やなべ)高山町の矢勝川堤防へ。
昨年も訪ねましたが、ヒガンバナの散歩道に「田んぼアート」が描かれていると新聞で知り、久々に戻ってきた青空に誘われて出かけました。

ヒガンバナは約25年前、新美南吉顕彰会の広報部長だった小栗大造が「南吉が散策を楽しんだ堤防に『ごんぎつね』にも出てくる真っ赤なヒガンバナの絵を描こう」と発案したのが始まりとか。
堤防の雑草を刈り取り、ヒガンバナの球根を植え続ける小栗の姿に、地域住民がひとり、ふたりと加わり、矢勝川の環境を守る会をはじめいくつものボランティア団体が誕生。南吉の功績を称えるとともに、ヒガンバナによる環境保護や町おこしを進めています。

田んぼアートもそのひとつ。堤防下の広さ10㌃の田んぼに、黒米や赤米、緑米、もち米などを使ってキャラクターの「ごん吉」と、振り仮名を付けないと容易に読んでもらえない町名の読み方「やなべ」を描いています。
地元の農業生産法人「おいしい村」が中心になって、5月に住民や高校生らが田植えをしたそうです。

ところで、ヒガンバナの堤防をひと回りして、少し気になったことがありました。はげたようなところや、ヒガンバナの花が小さかったり、まだ開花まで時間がかかりそうな小さなツボミが目立つことです。
散歩中の人からも「ヒガンバナの花数が減ったみたい」というつぶやきが聞こます。そこで、守る会の方に尋ねると、次のような丁寧な説明を受けて納得しました。

「ヒガンバナの球根の分球が進んだ結果、密植状態になり、土の中でいくつもの小さな球根が団子のようになったところがいっぱいあります。そうしたところは何本もの花茎が伸びていますが、栄養も奪い合いになるので花茎も蕾も小さく、開花も遅れます」

「勢い良く咲きそろっているところは、植え替えたところです。これからも植え替えや手入れを進めていきます。幸い、矢勝川を挟んだ隣の町でもヒガンバナを育てようという活動が始まりました。みんなで力を合わせて守りますので、これからも見に来てください」

放っておけば球根がイモ洗い状態にり、雑草の根も絡み合ってヒガンバナもいずれ消えてしまうでしょう。自然まかせでは、この景観は守れないのです。
ヒガンバナを通してふるさとづくりに取り組む住民の熱意にうたれました。

 




密植状態なって弱々しく何本も伸びた花茎

コスモスと




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