風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽描き水彩画「犬山の城下町スケッチ=無電柱化を考えながら歩く」

     
                    電柱のない通り

          
              電柱のある通り
 
水彩画教室のスケッチ会で、国宝・犬山城(愛知県犬山市)の城下町へ行ってきました。「総構え」と呼ばれる堀などで防御線が設けられたこの城下町は、戦火を浴びることがなかったために、いにしえの姿を比較的留めていることで知られています。

雨が降ったり止んだりの中を、名鉄犬山駅から歩いて10分ほどでメーンの本町通りへ。宿場町や街道沿いの街と同様、歴史のある商家や古民家、飲食店、土産物店などが並び、観光シーズンの週末の賑わいが想像できます。

犬山城へ続く800メートルほどの通りを歩いていて気づきました。

電柱が目に入らないのです。電線が地中に埋設されて電柱がないので、より城下町らしく、すっきりしています。

無電柱化は三重県伊勢市内や埼玉県川越市内で試みた結果、観光客が激増したとことで知られています。犬山の城下町では2009年に実施されました。
近年では観光地だけでなく、幹線道路や新しい住宅団地などでも進められています。

でも、欧米の街並みに比べれば、日本では都市部でもまだまだ。各都道府県の無電柱化率は数パーセントでしょう。また、無電柱化された通りを一歩離れると、電柱が立ち並んでいるのが実態です。犬山も例外ではありません。

無電柱化は景観がよくなるだけでなく、歩道が広くなって安全性が高まり、地震や台風などの災害にも強い街づくりにつながります。

国土交通省では、東京オリンピックをにらんで都内の無電柱化率アップに本腰を入れる構えのようです。それを東京だけに終わらせないのはもちろん、無電柱化の実施箇所を点や線から面に広げる施策を期待したいものです。

この日はあいにくの雨模様。直前まで満開だった桜も散り急ぐ通りを、こんなことを考えつつ絵になりそうな風景をカメラに収めてきました。

  
約150年前建築の旧磯部邸      サクラの花びらでびっしり  

  
石段にもサクラの花びらが       旧家を彩る鉢植えの花々

  
裏口まで吹き抜けた漬物屋さん    古民家の風景

   
犬山城の石垣(1)            犬山城の石垣(2)

  
神社の境内には恋人たちの願いと誓い  馬の蹄鉄が埋め込まれた玄関

        
                      城下町から見た犬山城










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