幕末の思想家であり、自分の死後に明治維新を果たした吉田松蔭の言葉です。
「思想を維持する精神は、狂気でなければならない。」
彼は松下村塾で幕末の志士を育成して、後に刑死する前の存命中に彼はこうも言っています。
「君たち、狂いたまえ。」
「志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない。世俗の意見に惑わされてもいけない。」
私はかなり衝撃を受けた言葉で、新しい時代を作るにはこれ位の現実的な計算や打算ではない、強い覚悟が必要なのかと驚きました。
また私の人生の重要な師匠である松下幸之助は、自分の座右の銘を「素直な心」と表現しました。
その意味は、一般的なおとなしいとか従順という意味ではあまりないです。
むしろその内容は、我欲などにより自分に都合がいい様な認識をせず衆知を集めすべての事象から学び、なるべく雲りのないありのままの実相を直視することを大切にします。そして、その真実から見えてくる道理や自然の理を把握して判断した、正しいなすべきことを着実に行うという意味です。
そのことからも、この吉田松蔭のあり方について私なりに考えました。
するとかなり常識的な内容が多い松下さんの本でも、彼の思想の根源である著書「素直な心になるために」の核心部分では、こう書いています。
「(私心にとらわれず、あるがままの真実から判断をして道理に合った)正しい大切なことなら、自分の利害を超えて命をかけても、断固として行う。」
そのあり方は、正義好きで狂気を持ち捨て身で生きた吉田松蔭や彼の弟子である長州藩士達と、ある意味ですごく共通すると思います。
しかし私は残念ながら成功者達が言った言葉が、必ずしも普遍的な絶対の真理とも限らないと思います。
また明治維新を成し遂げた元勲達などは、ほとんどが45歳にもいかないうちに亡くなっています。
これ程の痛みが伴わないと、時代を変えられないのかもしれません。
また現代は人生100年時代と言われる位に、私は長期的な人生の計画が必要かと思います。
私は将来が心配なフリーターでイノベーションを目指して、老後に周りにより迷惑かけるかもしれないと不安になります。
しかし私は逆境の中でも、松下幸之助が言う素直な心にある利害を超えて命をかける覚悟で、正社員ではなく志の道をなるべくブレずに進もうと決意し直しました。