YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

タペット隙間の確認と調整

2020年05月04日 | YB125SP整備

 いよいよYB号の暇つぶしネタが無くなりそうだよ。w
今日は午前中は雨だったが、午後から晴れたので久しぶりに
エンジンのタペット隙間の確認と調整をしてみた。
最後にやったのがいつだったか忘れたので調べたらローラー
ロッカーアームに替えた時にやったらしい。
2年前の調整だった。
今回は今までと違った、超簡単な方法を紹介するよ。

 まずギアをニュートラルにしてから点火プラグを外す。

ピストンやカムシャフトを圧縮上死点にセットする前の
準備で、プラグを抜けば圧縮抵抗が無くなり楽に作業が
できる。

 プラグ穴を綺麗なウエスで保護する。

ゴミなど異物を混入させないための重要な作業で、これを
忘れてなぜだかナットがどこからか落下混入し、シリン
ダー内が傷だらけになった人がSNSに居たのだ。w

 燃料蒸気還元用キャニスターを外す。

作業に邪魔だから外すのだ。
配管位置はメモなり写真で記録しておくと良い。

 キャニスターの固定ボルトを外す。

2本外せばキャニスターは車体から分離できる。

 カムシャフトスプロケットカバーを外す。

ここは二面8mmのM6ボルトで止まっている。

 ボルトを外して手前に引っ張ればカバーは外れる。

ここはOリングで密閉されている。

 カムシャフトスプロケットの固定ボルトに印を書く

パーツクリーナーで油分を拭き取り、油性ペンでマーキ
ングする。
実はこれが今回の肝である。

ここからが今回のメインイベント。
従来だとマグネットローターを回して圧縮上死点を出す
んだけれど、YB125SPは2013年型以降のYBRやYX、中国
生産型XTZ125Eと同様にローターを回すサービスホールが
省略されており、簡単に回す事が出来なくなっている。
そこで別の簡単な方法の出番だ。

 カムシャフトスプロケットの固定ボルトを左回転させて
圧縮上死点にセットする。

事前に点火プラグを外したおかげで回転抵抗が軽くなり、
緩み方向でも固定ボルトは緩まないでカムシャフトを回す
事が可能になるのだ。

 固定ボルトが緩んでいないか確認。

この確認のために事前に印を書いたのだ。
どうだ?頭いいだろ?(自画自賛)
めんどくさがり屋は楽をするために無い知恵を絞るのだ。

 タペットカバーを外す。

吸排気ともに外し、汚れが付着しないように保管する。

 吸気側のタペット隙間を測定してみた。

吸気側の調整基準値は0.08~0.12mmで測定結果は0.11mm。
せっかくなので0.10mmに調整しなおした。

 排気側も確認する。

排気側の調整基準値は0.10~0.14mmで前回は中間の
0.12mmにセットした記録がある。
測定結果は0.10mmだった。
走行距離が進んでバルブシートの摩耗の影響でバルブが
上昇したんだろう。
なお、アジャスターの摩耗で隙間が開く場合もあるよ。

一応基準内ギリギリではあるが、このまま進めば範囲から
外れるだろうから調整し直して0.12mmにしたよ。
微妙な数値はシックネスゲージを重ねて測る。
例えば0.12mmの場合は0.05mmと0.07mmを重ねれば良い
わけだ。

ロックナットを緩めてシックネスゲージを差し込み、指先
の力だけでアジャスターを回して止まる位置にする。
ここでアジャスターの先端を専用レンチや先細ペンチで固
定してからロックナットを仮締めするんだけど、これが繊
細かつメンドクサイ。w
俺のやり方は指先の力だけでアジャスターをセットして、
約30度程度緩めてからロックナットを仮に締めこむ。
ロックナットを締めこむとアジャスターが供回りするけれ
ど、その分を事前に緩めておけば本締めした時に丁度良い
塩梅に収まるのだ。

 何度か調整と仮締めを繰り返してから本締め。

ロックナットの指定トルク値は8Nmなのだ。
吸排気の調整が済んだら外した部品を元通りに組むだけ。

 タペットカバーの締め込みすぎは厳禁。

気密性はゴムのOリングで行っているから、強く締めこむ
必要は全く無い。
無駄に締めすぎるとネジ部が割れたり破壊する結果になる。

 固くなったらストップで十分。

レンチを短く持って指先だけで締めて行けば、固くなって
止まる感覚が分かりやすい。
増し締めの必要は無い。

 カムシャフトスプロケットカバーの固定も締めすぎ厳禁。

ここのボルト穴をナメるとエンジンヘッドごと交換か、
ヘリサート加工による修理でしか救済できないのだ。

後はキャニスターや点火プラグを元通りに組んで、始動
試験をして完了。
もしもカチャカチャ音が五月蠅いコンディションのエン
ジンだったら、タペット隙間調整で静かになるだろう。

 今日はこんな暇つぶしで午後を過ごしたけれど、後は
ホイールの徹底掃除とワックスがけくらいしか残ってい
ない。
ちょっとしたアクセサリーを買い置きしてあるので装着
する準備でも始めようと思う。



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