日本に極域の雲出現か?
上記の続きです。
2011年12月29日(木)の午前6時~6時半頃にかけて、仙台、伊豆沼(宮城県の栗原市と登米市にまたがる沼)、宇都宮、東京、松戸、横浜、横須賀、新潟県十日町市、長野県朝日村、愛知県碧南市で、まだ暗い空に明るく光る雲が目撃・撮影されました。
発生時に撮影された雲の画像は、一番最初のリンク先でご覧下さい。
以下のマップは報告を頂いた地のプロットです。(場所によっては詳報、おおまかあり)
より大きな地図で 2011年12月29日夜明けの高高度雲 を表示
伊豆沼でこの雲を撮影されているsatotakaさんが、ご自身の撮影された画像と、横浜市内でR_kampfgruppeさんが撮影された1秒違いの画像を使って、この現象の空間的位置を算出して下さいました。(拙ブログ記事にもコメント投稿)
詳しくは、GANREFのsatotakaさんのレビューをご参照下さい。
仙台で観測された夜光雲?と思われる現象についてVol.2:発生場所は千葉県沖
また、拙ブログ記事にコメント投稿下さった中島英彰さんは、以下のように述べていらっしゃいます。
位置と高度は概ねOKでしょう。
…ということで、地図にプロットした地で撮影された雲は、同一のものであると断定して差し支えなさそうです。
さて、ここで流星や火球の流星痕について、日本火球ネットワークの下田 力さんからBBSにコメントが。
2001年のしし座流星群の時、薄明が始まった空に明るい流星の痕が見えたのですが、まだギリギリ見える「暗さ」だったということなのでしょうね。
12月29日に発生した極中間圏雲についての考察@晴れ時々スターウォッチング
こちらの記事の中に、出典が明らかではないので詳細不明なのですが、「2009.11.18にユタ州で大火球発生後に撮影された写真」(大火球発生6時間後の日の出前)と「同じ雲をコロラド州から撮影した写真」(現地時間朝6:30)が掲載されています。
時間帯といい(しかし、ここでは太陽高度に着目すべき?)、何か似たような感じではありますが…。
しかし、流星(火球)痕ならば、自ら発光していて、太陽光の反射ではない…。
satotakaさんが伊豆沼で撮影された画像を、時間経過で並べて下さいました。
・伊豆沼で撮影した高高度雲の変化(画像クリックで拡大)
撮影は5:50~6:27ですが、最初は雲自体が発光しているという感じはなく、6時頃から明るくなり、次第に薄明の中に埋もれていく感じで、流星(火球)痕とは違う感じがしますね。
先の記事「日本に極域の雲出現か?」の最後で、私が「ロケットか火球の痕のトレイルでは?」と書きましたが、では、ロケットのトレイルである可能性は?
日本時間29日2:09に、ロシア・バイコヌールからソユーズ・ロケットが打上げられていることは、先に述べた通りです。
「バイコヌールから打上げられたロケットが、日本上空でロケット雲(夜光雲)を見せるような高度を通過するとは思えないのですが…。」と書いたのですが、なんと可能性があるそうです!
拙BBSのSaYo555さんの書き込み
また、先のブログ記事への中島英彰さんのコメントに
ロケットのトレイル雲というのは、どういうものか?…ということで、いくつか画像をご紹介します。
ちなみに2010年4月5日のSTS131のフライトは、山崎直子さんが搭乗したものです。
・STS131 Launch
・Space Shuttle Discovery STS131
・space shuttle Discovery
・Discovery shuttle launch
・Shuttle Plume
今年のお正月、ネット上で年末に撮影された雲として「地震雲か?」とか「昇り竜だ!」と大きく騒がれた雲ですが、出所はスペース・シャトルのトレイル雲。
・A colorfully-lit cloud
こちらも上記と同じ雲。
・繭状のロケット雲@spaceweather.comより
トレイル状のロケット雲は良く見られそうですが、このようなシャトルを包み込むような繭状のものは極まれだそうです。衝撃波の影響か何かでしょうか?
・ミノタウル・ロケットのトレイル雲
アリゾナ州フェニックスで撮影されたもの。
元画像はこちらのページ。
・Sonora Borealis II
2006年4月15日、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ基地から打上げられたロケットのトレイルが、日没後に輝きました。圧倒的なメタリックな輝き!
・STS-119 NOCTILUCENT CLOUD AT LAUNCH
太陽高度とロケットのトレイル雲の輝きについてのビデオ
このビデオやsatotakaさんの連続写真から分かるように、太陽高度と輝きとの関連からすると、今回の高高度雲もロケットのトレイル雲である可能性が高いのではないでしょうか?
先のブログ記事への中島英彰さんのコメントにも、以下のようにあります。
現在、ソユーズ・ロケットの第三段フェアリングの分離時刻、高度などを調べております。
ロケット打上げは日本時間2:09分。
日本上空を通過するのは30分~長く見積もっても1時間後以内です。
その時間に既成されたトレイルが、それから3時間以上後まで残っているのか?という問題もありますが、どうなのでしょう?
一応結果待ちではありますが、今回の高高度雲に関しては、ソユーズ・ロケットの第三段フェアリングのトレイル雲ではないかと思われるのですが、如何でしょうか?
*****
今回の件に関しましては、本当に沢山の方の情報提供と解析を頂きまして、心より感謝申し上げます。
引き続き、情報提供や解析などお待ちしております。
どうぞ宜しくお願い致します。
今回のこの雲と思われるものをご覧になったり撮影された方は、時刻と場所(おおまかでも可)を一緒に教えて頂けると幸いです。そして、方角&仰角が分かると尚良いです。
文章の場合はこのブログ記事にコメント頂ければと思いますし、もし画像がおありならば、どこかへアップして頂きURLをお知らせ頂くか、拙BBSには画像も投稿できますので、ご活用下さい。
なお、情報をお寄せ頂く際には、出来ましたらメイルアドレスをお知らせ頂ければ幸いです。(必須ではありませんが、こちらやしかるべき方からご連絡を取りたい場合もあると思うので。どうぞご協力宜しくお願い致します。)
拙ブログへの投稿ではメイルアドレスは公になってしまうのですが、BBSでは公開されませんので、公にしたくない場合には、こちらをご利用頂ければと思います。
情報やご意見・解析結果などがブログとBBSにバラけて分かりづらくなるとは思うのですが、宜しくお願い致します。
上記の続きです。
2011年12月29日(木)の午前6時~6時半頃にかけて、仙台、伊豆沼(宮城県の栗原市と登米市にまたがる沼)、宇都宮、東京、松戸、横浜、横須賀、新潟県十日町市、長野県朝日村、愛知県碧南市で、まだ暗い空に明るく光る雲が目撃・撮影されました。
発生時に撮影された雲の画像は、一番最初のリンク先でご覧下さい。
以下のマップは報告を頂いた地のプロットです。(場所によっては詳報、おおまかあり)
より大きな地図で 2011年12月29日夜明けの高高度雲 を表示
伊豆沼でこの雲を撮影されているsatotakaさんが、ご自身の撮影された画像と、横浜市内でR_kampfgruppeさんが撮影された1秒違いの画像を使って、この現象の空間的位置を算出して下さいました。(拙ブログ記事にもコメント投稿)
千葉県の東方約410~465kmで発生していることが分かりました。さらに発光場所と観測地までの距離と仰角から高度は,82.5~89.1kmと推定できます。
詳しくは、GANREFのsatotakaさんのレビューをご参照下さい。
仙台で観測された夜光雲?と思われる現象についてVol.2:発生場所は千葉県沖
また、拙ブログ記事にコメント投稿下さった中島英彰さんは、以下のように述べていらっしゃいます。
仙台市天文台の小石川さんの写真と、satotakaさんの伊豆沼からとられた写真に写っていた、水星とアンタレスの位置をもとに、三角測量でPMCと思われている雲の一番濃い部分の位置と高度を導出してみました。結果は以下です。
北緯36度43分51秒
東経145度31分43秒
高度97km
この位置なら、宮城と関東から同時に見えてもおかしくありませんね。
雲の成因としては、satotakaさんや日蝕貧乏知恵者猫さんご指摘の通り、流星や火球による流星痕の可能性が高そうですね。
位置と高度は概ねOKでしょう。
…ということで、地図にプロットした地で撮影された雲は、同一のものであると断定して差し支えなさそうです。
さて、ここで流星や火球の流星痕について、日本火球ネットワークの下田 力さんからBBSにコメントが。
今回のこの現象はロケットか火球(痕)のトレイル雲ではないか?
との書き込みを見ましたが、流星痕の場合、流星体の電離柱が発光しており、太陽光を反射しているわけではないので、明け方明るくなると見えなくなります。
隕石に伴って隕石雲が見られることがありますが、こちらは隕石の破砕された微粒子が見えるので、昼間でも見られます。ただし、灰色がかった煙のようなものがほとんどで、今度のようなきれいなものではありません。
今のところ、この時間帯に隕石を伴うような明るい火球は目撃されていません。
2001年のしし座流星群の時、薄明が始まった空に明るい流星の痕が見えたのですが、まだギリギリ見える「暗さ」だったということなのでしょうね。
12月29日に発生した極中間圏雲についての考察@晴れ時々スターウォッチング
こちらの記事の中に、出典が明らかではないので詳細不明なのですが、「2009.11.18にユタ州で大火球発生後に撮影された写真」(大火球発生6時間後の日の出前)と「同じ雲をコロラド州から撮影した写真」(現地時間朝6:30)が掲載されています。
時間帯といい(しかし、ここでは太陽高度に着目すべき?)、何か似たような感じではありますが…。
しかし、流星(火球)痕ならば、自ら発光していて、太陽光の反射ではない…。
satotakaさんが伊豆沼で撮影された画像を、時間経過で並べて下さいました。
・伊豆沼で撮影した高高度雲の変化(画像クリックで拡大)
撮影は5:50~6:27ですが、最初は雲自体が発光しているという感じはなく、6時頃から明るくなり、次第に薄明の中に埋もれていく感じで、流星(火球)痕とは違う感じがしますね。
先の記事「日本に極域の雲出現か?」の最後で、私が「ロケットか火球の痕のトレイルでは?」と書きましたが、では、ロケットのトレイルである可能性は?
日本時間29日2:09に、ロシア・バイコヌールからソユーズ・ロケットが打上げられていることは、先に述べた通りです。
「バイコヌールから打上げられたロケットが、日本上空でロケット雲(夜光雲)を見せるような高度を通過するとは思えないのですが…。」と書いたのですが、なんと可能性があるそうです!
拙BBSのSaYo555さんの書き込み
ブログに書かれていた、Soyuzロケット打上げとの関連の可能性ですが、ひょっとしたらあり得るかなと思いました。
バイコヌール宇宙基地から東方向に打上げた場合(今回も該当します)、第3段はシベリア上空で分離後、東北地方上空を通過して太平洋上に落下すると記憶しています。(資料が見つからなくてすみません)
ひょっとしたら、この第3段が原因の可能性もあります。
問題は、これが通過するのは打上げ30分後位のはず(うろ覚えです)なので、夜光雲?目撃とは、ちょっと時間が空いているようにも思えることです。
可能性の一つとして検討する価値はありそうに思えました。
また、先のブログ記事への中島英彰さんのコメントに
その後調べてみた結果、2011/12/29(Thu) 02:09:01 JSTに、カザフスタンのバイコヌール基地から、ソユーズ2-1Aロケットによる6つのGlobalstar衛星の打ち上げが行われていたことが判りました。
http://www.spacetoday.net/Summary/5484
http://www.nasaspaceflight.com/2011/12/soyuz-2-1a-2011-launch-six-globalstar2-satellites/
この衛星の軌道は、高度1414 km、軌道傾斜角 52°ですので、丁度カザフスタンから少し北を通って、丁度第3段ロケットの燃えカスが、日本を通り越した太平洋上に落下したと考えられます。
ロケットのトレイル雲というのは、どういうものか?…ということで、いくつか画像をご紹介します。
ちなみに2010年4月5日のSTS131のフライトは、山崎直子さんが搭乗したものです。
・STS131 Launch
・Space Shuttle Discovery STS131
・space shuttle Discovery
・Discovery shuttle launch
・Shuttle Plume
今年のお正月、ネット上で年末に撮影された雲として「地震雲か?」とか「昇り竜だ!」と大きく騒がれた雲ですが、出所はスペース・シャトルのトレイル雲。
・A colorfully-lit cloud
こちらも上記と同じ雲。
・繭状のロケット雲@spaceweather.comより
トレイル状のロケット雲は良く見られそうですが、このようなシャトルを包み込むような繭状のものは極まれだそうです。衝撃波の影響か何かでしょうか?
・ミノタウル・ロケットのトレイル雲
アリゾナ州フェニックスで撮影されたもの。
元画像はこちらのページ。
・Sonora Borealis II
2006年4月15日、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ基地から打上げられたロケットのトレイルが、日没後に輝きました。圧倒的なメタリックな輝き!
・STS-119 NOCTILUCENT CLOUD AT LAUNCH
太陽高度とロケットのトレイル雲の輝きについてのビデオ
このビデオやsatotakaさんの連続写真から分かるように、太陽高度と輝きとの関連からすると、今回の高高度雲もロケットのトレイル雲である可能性が高いのではないでしょうか?
先のブログ記事への中島英彰さんのコメントにも、以下のようにあります。
今回、日本各地から見られた雲は、ソユーズロケットの軌跡(トレイル)にばらまかれた推進剤の燃えカス(凝結核)に、周囲の水蒸気が凝結して雲となった後、地平線下の太陽光の光を浴びて輝いたもの、と考えるのが良さそうです。
現在、ソユーズ・ロケットの第三段フェアリングの分離時刻、高度などを調べております。
ロケット打上げは日本時間2:09分。
日本上空を通過するのは30分~長く見積もっても1時間後以内です。
その時間に既成されたトレイルが、それから3時間以上後まで残っているのか?という問題もありますが、どうなのでしょう?
一応結果待ちではありますが、今回の高高度雲に関しては、ソユーズ・ロケットの第三段フェアリングのトレイル雲ではないかと思われるのですが、如何でしょうか?
*****
今回の件に関しましては、本当に沢山の方の情報提供と解析を頂きまして、心より感謝申し上げます。
引き続き、情報提供や解析などお待ちしております。
どうぞ宜しくお願い致します。
今回のこの雲と思われるものをご覧になったり撮影された方は、時刻と場所(おおまかでも可)を一緒に教えて頂けると幸いです。そして、方角&仰角が分かると尚良いです。
文章の場合はこのブログ記事にコメント頂ければと思いますし、もし画像がおありならば、どこかへアップして頂きURLをお知らせ頂くか、拙BBSには画像も投稿できますので、ご活用下さい。
なお、情報をお寄せ頂く際には、出来ましたらメイルアドレスをお知らせ頂ければ幸いです。(必須ではありませんが、こちらやしかるべき方からご連絡を取りたい場合もあると思うので。どうぞご協力宜しくお願い致します。)
拙ブログへの投稿ではメイルアドレスは公になってしまうのですが、BBSでは公開されませんので、公にしたくない場合には、こちらをご利用頂ければと思います。
情報やご意見・解析結果などがブログとBBSにバラけて分かりづらくなるとは思うのですが、宜しくお願い致します。