2007年8月30日~ オーロラ出現!?
A-520-23号ロケット実験を観察しよう@せんだい宇宙館ニュース
実験内容は、高度300kmまでの中性・電離大気観測と気象・海洋現象の多波長撮影@JAXA
2007年8月30日以降の夕方、内之浦から超高層大気観測のための、実験ロケットが打ち上げられます。この実験では、高度250km~150kmで、リチウムの蒸気を噴出するため、上空の太陽光によって励起されて、赤く光り輝きます。
まるで、遠方からでも赤いオーロラ(※)が出現するように見えることが予想されますので、この期間の夏休みの夕暮れ時に注目してください。
※自然のオーロラの発光メカニズムとは異なります
この夏、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は内之浦宇宙空間観測所から、S-520-23号ロケットを打上げます。
このロケットは超高層大気の観測実験を実施。ロケットから発射されたビーコン電波と放出されたリチウム蒸気からの発光を、地上からの電波と可視光で観測するものです。
リチウム蒸気の発光は、太陽光により励起されて赤く光り輝く"人工オーロラ"として見える筈。
研究チームでは、一般の方々にもこのリチウム雲のビデオや写真撮影による観測を呼びかけています。
正確を期すならば、本来の"人工オーロラ"とは違うのでしょうけれど…まぁ、そこは堅いことは言わずに。(^_^;)
今回は高層大気中に放出したリチウムの散乱光を観測するのですが、その色は1枚目画像のオーロラのような濃いピンク色ではないかと思われます。
なお、このオーロラの色はリチウム由来ではなく、酸素です。
似たような色なのかな…ということで。
ちなみに、以前アラスカで『人工オーロラ』を目撃したことがありますが、それとこれとの見た目の差異はどのようなものなのかなどは分かりません。
この記事に貼り付けた3枚の画像のうち、以下の2枚はアラスカで撮影したもので、高層大気の流れをチェックするらしい"Man made Auroras"と赤を伴った天然のオーロラです。
今回の実験の人工オーロラはこのようなカーテン状に見えるのではなく、赤い雲のような発光体の塊状に見える…のかも知れません。
3枚目の画像の中央下に写っているチョロッと尻尾を付けたクリーム色の光の塊のような感じなのかも知れませんが、最も明るく大きく見える場所でも光の塊は満月くらいの明るさと大きさとか。
但し、これは理論値であり、空の広範囲がピンク色に染まる可能性もあるとのことです。
実験の行われる日時
ロケット打上げの可能な期間は、2007年8月30日(木)~9月14日(金)。
鹿児島県本土周辺のみならず、奄美大島、潮岬、五島列島からも観測が予定されています。
なお、西日本一帯の天候が良好であることが必要で、8月30日(木)を初日として、このような天候となる日まで日程は繰り下げられます。
打上げ時刻は、18:55~19:40頃。
但し、天候の良い時を見計らって打ち上げられますので、打上げの瞬間は直前まで不明。
宇宙に輝く特大花火を見てみよう! ~WINDロケット実験~@高知工科大学
こちらのページに、最新の打ち上げ予定時刻、リチウムの放出予定時刻(1回だけでなく3回あります)が掲載されています。
どのように見えるのか?観察方法なども順じアップされているので、要チェック!
WINDロケット実験 各地での見え方@倉敷科学センター
四国沖の太平洋上空でリチウムを放出し、地上から観測しようというものです。条件によっては太陽光を受けて光る雲が、西日本各地で観測されることが期待されています。
鹿児島県内之浦から打ち上げられるロケットですが、リチウム放出は四国沖。
打ち上がるロケット(の軌跡)が見られるのは九州や四国の限られた地域だと思われますが、リチウム放出は高高度で行われるために、かなり広い範囲から見ることが可能なのですね。無論、天候や視界が開けていることが重要ですけれども…。(天候に関して言えば、この現象は地上からも広く観測出来ないといけないので、それを加味して打ち上げられます)
放出されたリチウム(擬似オーロラ)が良く見えるのは九州と四国各地、中国や関西の瀬戸内地方となりますが、四国山陰地方、神戸や大阪、奈良、京都、和歌山の他、仰角は低くなりますが静岡や東京でも見られるチャンスはあるようです。
ちなみに東京の(海抜0m)リチウム放出仰角は、1回目11°、2回目9°、3回目5°となっています。
1回目の11°というのは、地平線から(目の高さに腕をまっすぐに伸ばした時の)こぶし1つ分ほどしかありませんので、ビルや山などに隠されてしまうかも知れませんが、南西の空の開けた場所…海に面した高層ビルなどが良さそう。
ロケット打ち上げが予定されている2週間余りの間、該当地区にお住まいの方・お出かけの方は、夕暮れ時の空に注目です!