今宵の一枚はCIRCLE IN THE ROUNDの1枚、RECORD Iだ。週末はRockを聴くのが常だが、やはりこのアルバムを聴かねばなるまい。ドラムの違い、すなわちフィリー・ジョー・ジョーンズとトニー・ウィリアムスの違いに言及したが、まさにA面で二人の違いが手に取りようにわかり、たいへんおもしろい。A面2曲目のBLUES NO.2はフィリーがソロを2回も取りかつ長い。実に良い。ライブだったら迷わず、「イェー。」と合いの手を入れたくなる演奏である。典型的なハードバップ時代のドラミングだ。マイルスのtpともの絡みも素晴らしい。JAZZの醍醐味が詰まったテイクだ。B面はCIRCLE IN THE ROUND1曲だけ。26分に及ぶ長い演奏だが、サウンドは多彩で飽きることがない。聴いたこともない楽器が奏でられ、楽しい限り。中でもトニーのドラムは、音が塊となって迸り面で押し寄せ、フィリーとはまったく別物。もちろん優劣はなし。「違う」としか形容しがたい。どちらも魅力的で好みの問題だろう。
アルバム4曲中気に入ったのはROUND MIDNIGHT。ライブ録音だが、驚くほど音が良い。哀愁帯びたマイルスのtp、パワフルなジミー・コブのドラムが印象的である。アルバム、ROUND ABOUT MIDNIGHTとはずいぶん、趣が違う。tsがコルトレーンでないせいか、ピアノはウィントント・ケリーだからなのか全体のムードが寂しげで、前へ前へ明るいものとばかり思っていた曲が逆のイメージである。でもこれはこれでたいへん魅力的。
side A
1.TWO BASS HIT
2.BLUES NO.2
3.ROUND MIDNIGHT
side B
1.CIRCLE IN THE ROUND
(personnel)
Miles Davis(tp)
John Coltrane(ts)
Red Garland(piano)
Paul Chambers(bass)
Philly Joe Jones(drums)
Hank Mobley(ts)A2,A3
Wynton Kelly(piano)A2.A3
Jimmy Cobb(drums)A3
Wayne Shorter(ts)B
Harbie Hancock(celeste)B
Ron Carter(bass)B
Joe Beck(guitar)B
Tony Williams(drums)B
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