まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その28

2014-04-03 22:29:41 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ところでこれ、独り言なんですが、
創作、というのは孤独なものだなぁ、と感じてます。

前にも書いた繰り返しになっちゃうのですが、
創作上の答えは自分の裡にしかない、どんな親しい人でも教えてはもらえない、
徹底的に自分と向き合うしか道はないわけで、
まっ暗い中を独りで手さぐりで這いずりながら歩いていく、そんな心細さがあります。

いや、大丈夫ですよ、頑張ります。

ただ、先日4月1日のアクセス数がすごく多くてですね!

すごく、すごく嬉しかったんです。

昨日はその数字を時折見返しながら、また続きを進めておりました。

すごく嬉しかったです、励みになりました。

皆さま、ありがとう。

まかろん、どーしてもこれを書きあげたいので、・・・本当に、ありがとう。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その28

  ナヲキさんは 思わず後ずさった
  何を恐れる? 声は耳の底でうねった
  汝は我 我は汝だと言うに・・・
  何も変わらぬ 己が本性に戻るのみ
  ただ我が力を受け入れ より強くなるのだ

<つづき>

強く・・・なる ナヲキさんは
裡に響く声に つぶやいた
アンタを受け入れて 俺は強くなる・・・
然様だとも と声は甘やかに言った
汝の最も深い望みも それで叶う

最も深い望み? ナヲキさんは
訳が分からず 竜雲を見上げた
我が どれほど汝の裡にいたと思う
汝の望みは・・・ と声がささやいた
何故か無性に 聞くのが怖かった

父親を弑すること であろう?

・・・何を言ってるんだ?
ナヲキさんは 眉をしかめて言った
何か 大層げに言うと思えば
俺の父親は もう死んでいる
四年前に 交通事故で

それでも 腹立たしかったのだろう?
声は 自信ありげに言葉を返した
勝手に 子供を作って
勝手に 後継ぎに仕込んだ挙げ句に
勝手に 後始末をおしつけて逝った父が

ナヲキさんは 息を呑んで胸を押えた
それは 言ってはいけないことだった
思ってはいけないことだった
だけど ずっと思ってた
何故 俺はまだここで生きている

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その27

2014-04-03 22:04:54 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、花冷えの木曜ですね、お元気ですか。

例年、桜が咲く頃には何故か気温が下がると言われております。

せっかく咲かせた桜を少しでも地上に留まらせてやりたい、という
天の配剤でしょうか。

でも、この時期は雨がちでもあるんですよね・・・

ただの人の身としては、少しでも楽しむだけですね。

今日、桜が植わっている民家を通りましたら、ちょうど車が出るところだったんですが、
黒い車体いっぱいに、桜の花びらがこの雨でくっついておりまして、
車体全身で「桜!」を主張しておりました。

いや、持ち主さんにそんな気はなかったでしょうけど。

そんな景色を楽しむのも今だけです。

まかろんも、皆さまにできるだけ最高の桜をお届けできたらいいな、と願ってます。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その27

  もう間違わない ナヲキさんは竜雲を見据えた
  アンタは何だ ナヲキさんは竜雲に聞いた
  汝らの我欲よ と竜雲は言った
  覚えがあろう? 菓子職人
  己れの欲こそが至上の使命 美しき本性かな

<つづき>

そう・・・だな とナヲキさんは
噛みしめるように 言った
確かに俺は・・・覚えている
他人を押しのけ 自分の力を
世に示そうと 必死だったのを

善きかな善きかな と竜雲は言った
黒雲はすぅっと 渦を巻いた
熾火のような月が 黒雲を照らした
この限られた地表では 当然のこと
それが汝ら人の定めなれば 案ずまい

その声は さざ波のように
ナヲキさんの心を 甘くくすぐった
けれど その甘さは口に苦かった
汝の欲は 天晴れであった
声は 満足げに深く響いた

周り全てを糧にして 突き進む汝の我欲は
と声は 聞く者の心を撫で上げるような
天鵞絨の滑らかさで 言った
不浄の荒魂を 見事呼び集めてくれた
常は干支どもが かっさらうのだが

わずかに声の波動に とげが混じる
すぐにそれは 滑らかさに消えた
のう菓子職人よ と声は言った
我は汝が気に入った
引き続き 我の寄り代で在れ

ナヲキさんは 思わず後ずさった
何を恐れる? 声は耳の底でうねった
汝は我 我は汝だと言うに・・・
何も変わらぬ 己が本性に戻るのみ
ただ我が力を受け入れ より強くなるのだ

<つづく>

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