まかろん、今日少し回り道して、家の近所の桜並木の所で
落ちてる桜の花を拾って帰りました。
水を張った器に入れておくと、しばらくもつんですって。
やってみたら、びっくりしました。
この時期部屋に、かなり良くできた桜の造花を飾っているのですが、
どんなに良くできた造花も、本物の花の存在感はそれ以上でした。
本物の花、と言っても、たかが切り離された、数十分でしおれるはずの
あの道端におちてる桜の花ですよ?
それでも、適当な器の水に浮かせると、その、
辺りを払うような瑞々しさ、生々しさと言ったら、
まかろんが普段目にする、人工物に満ちた世界全てを凌駕するかのようでした。
生きている、ということは、これほどエネルギーが違うのだな、と思いました。
人間も本当は生きているんですけどね。
では、続きでーす。
2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その36
積っていた雪は 消えていた
花も葉もない 焦げた枝から
また一滴 水が滴った
ナヲキさんは ぶるっと身震いをした
夜気はまだ 薄着には寒かった
<つづき>
お疲れさまでした と声がした
木の枝に 大きな大きな白蛇が
ぐるりと木を囲んで 絡んでた
少し欠けた月が 枯れたような
白い光を 投げかけていた
なんとか 間に合いましたね
蛇は 木の上から呼びかけた
ナヲキさんは 黙って見返した
何か大事なものが 身体の裡で
はち切れそうで 口を開く気になれなかった
蛇は 訳知り顔でうなずいた
分かってますよ もうじきです
もうすぐ0時 春分の陰陽門が開きます
そうしたら貴方は・・・ と蛇は言った
桜を 喚んで下さい
ソレハ イケナイハズジャ?
ナヲキさんの目に 問いが浮かんだ
蛇は瞼のない目を 和ませた
今の貴方なら大丈夫 というより
今こそ やって頂きたいのです
蛇は木の上から 寄るよう促した
さあこちらへ 木のそばへ
ナヲキさんは 素直に従った
どのみち 他にしたいことなど
裡の圧力で 考えられなかった
ナヲキさんは 叫びたかった
怒りや焦りや恨みなどではなく
ただただ・・・
そう それでいいのです
と蛇は そっと言った
<つづく>
人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。
落ちてる桜の花を拾って帰りました。
水を張った器に入れておくと、しばらくもつんですって。
やってみたら、びっくりしました。
この時期部屋に、かなり良くできた桜の造花を飾っているのですが、
どんなに良くできた造花も、本物の花の存在感はそれ以上でした。
本物の花、と言っても、たかが切り離された、数十分でしおれるはずの
あの道端におちてる桜の花ですよ?
それでも、適当な器の水に浮かせると、その、
辺りを払うような瑞々しさ、生々しさと言ったら、
まかろんが普段目にする、人工物に満ちた世界全てを凌駕するかのようでした。
生きている、ということは、これほどエネルギーが違うのだな、と思いました。
人間も本当は生きているんですけどね。
では、続きでーす。
2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その36
積っていた雪は 消えていた
花も葉もない 焦げた枝から
また一滴 水が滴った
ナヲキさんは ぶるっと身震いをした
夜気はまだ 薄着には寒かった
<つづき>
お疲れさまでした と声がした
木の枝に 大きな大きな白蛇が
ぐるりと木を囲んで 絡んでた
少し欠けた月が 枯れたような
白い光を 投げかけていた
なんとか 間に合いましたね
蛇は 木の上から呼びかけた
ナヲキさんは 黙って見返した
何か大事なものが 身体の裡で
はち切れそうで 口を開く気になれなかった
蛇は 訳知り顔でうなずいた
分かってますよ もうじきです
もうすぐ0時 春分の陰陽門が開きます
そうしたら貴方は・・・ と蛇は言った
桜を 喚んで下さい
ソレハ イケナイハズジャ?
ナヲキさんの目に 問いが浮かんだ
蛇は瞼のない目を 和ませた
今の貴方なら大丈夫 というより
今こそ やって頂きたいのです
蛇は木の上から 寄るよう促した
さあこちらへ 木のそばへ
ナヲキさんは 素直に従った
どのみち 他にしたいことなど
裡の圧力で 考えられなかった
ナヲキさんは 叫びたかった
怒りや焦りや恨みなどではなく
ただただ・・・
そう それでいいのです
と蛇は そっと言った
<つづく>
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