まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その32

2014-04-06 21:36:19 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
まあ、エンドマークつけるまで安心はできませんが。

一応まともなものをお出しできそうで、ほっとしてます。

是非、お楽しみに♪

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その32

  どこへ行く 雲が空から言った
  ナヲキさんは 答えず歩いていった
  雪が積もった公園に来た
  緋い月が 雲と一緒に追いかけてきた
  あの桜が 雪を跳ねのけ立っていた

<つづき>

緋い月光が 桜を照らした
増した熱気が吹きつけ 皮膚が痛い
恨みや怒りや恐怖の叫びが
返せと 世界にわめいていた
俺たちのいのちを 返してくれ

踏みつけにされた ただ使われた
あいつの 社会のいのちのために
ああああ・・・ 花たちは月に叫んでいた
俺たちを道具扱いする こんなとこから
抜け出して 俺が私が今度は奴らを

ナヲキさんは 桜を真っ直ぐ見つめた
手にした花びらを 胸に当て
少しの間 目を閉じる
甘い香り 暖かな優しい香り
だけど

ナヲキさんは 白い梅の花びらを
そぉっと 積る雪の上においた
それから
いま 行くよ
桜に向かって 歩き出した

月に向かって 叫んでいた桜の花たちは
近づくナヲキさんに おののいた
何をする気だ と花々はわめいた
俺たちを支配する気か 殺す気か
俺たちのいのちを 取り上げるのか

何もしないよ とナヲキさんは言った
おおでは・・・ と桜の花は歓喜した
我々を 救ってくれるのだな
この呪われた地で 生きる希望を
恵みを愛を 我らに与えてくれるのだな

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その31

2014-04-06 21:23:51 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、週末でしたねぇ、いかが過ごされましたか。

東京では桜鑑賞のラストチャンスと言うべき週末でしたが、
今日は一日、あいにくの曇り空でした。

なのに、明日からの予報は晴れ。曇り時々晴れ。晴れ時々曇り。

・・・ちょっと天気よ、空気読め。

まあそれはともかく、やっとこの詩のクライマックスシーンを書き終わりました!

後はエンディングに向けて進めていくだけです。

最後まで行くから、待っててね♪

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その31

  だけどさ とナヲキさんは目を開けた
  月光を背負った竜雲は やはり美しかった
  なんでかな俺 アンタが何だか判るよ
  ナヲキさんは はかなく笑った
  アンタは 俺がすがってた“夢”なんだ

<つづき>

ナヲキさんは 黒雲を遠く見はるかした
アンタを手に入れれば 
とナヲキさんは 言った
アンタみたいのを 手に入れれば
きっと幸せになれるって 思ってた

ナヲキさんは 足元を見た
雪に混じって 白い梅の花が散っていた
誰よりも強くて 誰からも尊重されて
誰も俺を馬鹿にしない
誰も俺の人生を支配しない

誰にも・・・親父にも
ナヲキさんは 小さく付け加えた
我と来れば そうなるのだぞ
竜雲の声は 身体の奥で小さく響いた
ナヲキさんは 頭を振った

もういいよ とナヲキさんは
裡につぶやくように 胸に手をやった
少しのためらい 胸の奥の小さな痛み
まだ言いきるには 勇気が要る
でも・・・ ナヲキさんは拳を握った

俺・・・もう行くよ
ナヲキさんは しゃがんで
散らばった冷たい花びらを 拾った
なぜか 放って行く気がしなかった
積った雪を踏んで 歩き出す

どこへ行く 雲が空から言った
ナヲキさんは 答えず歩いていった
雪が積もった公園に来た
緋い月が 雲と一緒に追いかけてきた
あの桜が 雪を跳ねのけ立っていた

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする