小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

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小学校受験「シーソー」の問題

2008年07月08日 | 小学校受験のカリキュラム
 重いから、下がる。
 軽いから、上がる。

 シーソーのメカニズムです。この理屈は、ほとんどの子ども問題なく理解します。
 しかし シーソーのペーパーを前にして、
  「AとB、どっちが重いの?(絵では、Aが下がっています)」とたずねると、全員が元気に、
  「Aでーす」と答えてはくれるのですが・・・
  「どうして、Aが重い、とわかったのかな?」とたずねると・・・
  「だって、Aのほうが『大きい』んだもん」という返事が返ってきたりして、ガックリすることがあります

 確かに、そのペーパーでは、下がっているAの絵のほうが、対象物が大きく、上がっているBの対象物は小さいのです。
 
 お母様方の中には、「そんなこと、どっちでもいいじゃないの。とにかく、大きいとか何とか言ったって、この問題でAのほうが重いってわかれば、ちゃんと正解でしょう?」とおっしゃる方は多いでしょうね

 確かに、2者の比較であればそれで問題ありません
しかし、3者、4者の比較になり、本来は「重い、軽い」の判断をして正答を理解しないといけないのに、いつのまにかその判断の基準が「大きい、小さい」にすり替わってしまうと・・思いのほか、厄介な間違いの原因となることが往々にしてあるのですね

 たとえば・・・子ども達は、頭では、「下がっているほうが重い、上がっているほが軽い」と、しっかりと理解できているとしましょう。
 しかし、シーソーの問題を解く前に、「お話しの記憶」や、ややこしい「数量」の問題を解いていて、かなり頭を使って考え、そこで集中力を使い果たしていて、思考力が鈍っていたとしたら???
 ふっと魔が差したように、「重い、軽い」ではなく、幼い頃なら馴染んだ判断基準である「大きい、小さい」という、視覚的なものに、思考が左右されてしまう・・・こういうことはあるのですよ

 シーソーでは、大きい小さいは関係なく、たとえ、それが小さいものであったとしても、シーソーが下がっていれば、そちらが重いのだ ということを、イヤというほど、徹底して教えていなければなりません。

 それでも・・・
視覚だけの判断では、さっきも書いた「魔が差す」ことがあります。わかっているのに、間違ってしまう・・・あるでしょう?
 ということで、そういうミスをしないために、前々回にも書いた通り、「正しい答えを導き出すための式」にあたる「書き込み」をすることお勧めします。

 子ども達にとって、「重い、軽い」は新しい見解です。
彼らの人生は、まだまだ短いわけですが、その短い人生の中でも「どちらが大きい?どちらが小さいですか?」という問いは、かなり幼い頃から理解していたはず、です。
 それに対して、「どちらが重いですか?どちらが軽いですか?」という問いは、ずっとずっと「お勉強チック」な問い、だと思います それに、重い軽いは視覚だけではわからず、シーソーという道具を使わないと判断できないもの、ですしね。

 では、その身近でないものをスムーズに理解させ、問題となった時に間違わせないためには、それなりの工夫が必要になります
 まずは「重い、軽い」ではなく、もっと子どもにとって「身近な言葉」を使い、判断させる・・・
 それが、「重い、軽い」ではなく「勝つ、負ける」なんですね

 なんで??と思われますでしょう?
じつは子ども達、小さな頃から、「勝ち負け」は身近な観念なんですよ
 たとえば、ヒーローごっこ然り じゃんけん然り もちろんかけっこ然り 
 子ども達は幼い頃から、「勝つ、負ける」には敏感で、非常に感覚的に身近なんです
 ですから、「重い軽い」ということを・・・
  「重さ勝負をしまーす。重いほうが勝ち、軽いほうが負けでーす」という表現をしたとたん、不思議なことに、急に課題への取り組みに親近感を覚え、興味を持って、間違わずに考えられるようになるんです

 そして、もう一つ。
絶対に間違わせないために、この「勝ち負け」の考え方を使って、「書き込み」をさせます。
 では、3者の比較をしてみましょう。A,B,Cの比較をします。
 
★ 第1回戦。AとBの重さ比べです。
勝負の結果、Aが下がる・・・Aの勝ち!(Aが重い)
そこで、Aの上か下、余白に「○」を描かせます。
Bは負け!(Bが軽い)
そこで、Bの上か下、余白に負けた印の「×」を描かせます。
AとBは、一勝一敗、ですね。
 
★ 第2回戦。BとCの重さ比べです。
勝負の結果、Bが下がる・・・Bの勝ち!(Bが重い)
そこで、Bの上か下、余白に「○」を描かせます。Cは負け!(Cが軽い)
そこで、Cの上か下、余白に負けた印の「×」を描かせます。

さあ、A、B、Cの余白には、○と×の印がついているはずです。
A・・・○が1個。
B・・・×が1個。○が1個。
C・・・×が1個。
 
 どうですか?こうすれば、一目瞭然、ですね
頭の中で「こっちが重い・・・こっちは軽い・・・」と考えていくよりも、このようにしてしまうほうが、簡単に理解できますし、絶対に間違うことがありません
 つまり、○しかない、負けなしのAは、絶対に重い!ということですね。
○と×のあるBは、ある時は勝ち(重い)、ある時は負け(軽い)だったわけですから、重さで言えば「真ん中」です。
 では、×しかないCは?と言えば、勝負に勝ったことなし・・・つまり、最も軽い、ということがわかります

 子ども達に親しみのある言葉で、間違えない方法を採らせることは、あまり意味のないことのように思われがちです。そんなの時間のロス、だとか、頭でわかれば、そんな方法、いちいちしなくても良いじゃない!
確かに、その通りですね

 でも、実際には、子ども達が、いつも自分の持っている100%の力を出しきれるか?と問われれば、残念ながら、そうではないのですよ
 どんなにペーパーが得意な子でも、ちょっと疲れて思考力が低下した時や、少しやる気が失せて、集中力に欠けているような時はあるものです。

 そんなとき、ママが畳みかけるように、
 「なんで間違うの?いつも出来るじゃない?なんで?ねえ、なんで
 なーんてやってしまうと、子どもは意気消沈
意気消沈だけで済んでしまえば良いほうですが、それがきっかけで、自信を失ったり、急に苦手意識が湧いてきてしまったり・・・なんてことになると? もちろん、一番かわいそうなのは子どもですし、ママだってお困りになる・・・ですよね

 たくさんの「転ばぬ先の杖」を、用意してあげるのも、ママのお役目ですよ

 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです



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