身体的損壊、最悪死ぬこと、その他こまごまとしたできない。
それまでできていたことが、できなくなるのはつらい。受け入れがたい苦しみとなる。でもそんなものは、生きているうちにいくらでも起こってくる。そんな時、心の折り合いをつけてくれるのが宗教である。
そのへんは驚くほど緻密に人間科学されている。
“できない”は社会のルールでも起こってくる。宗教が興ったのは、国の法令に人々が雁字搦めにされだした頃でもある。さらに、制度化で“できない”を増やして、宗教の権威を高めることもすぐに起こってくる。やるやらないに関わらず、ルール化すれば、“できない”を増やせる。あとは示威行為で“できない”を実感させるだけ。
生活水準の向上、文化の成熟で、“できない”が無視できなくなっていったことも大きい。
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