霊園に到着して、わたあめを待ってくれていた職員さんの第一声は、「真っ白なきれいな子ですね。」だった。
火葬までに行われた一つひとつすべての過程で、その人はずっとわたあめに語りかけてくれていた。
煙突からあがる煙を示しながら、その人が言った。
「今、幸福行のキップをもって旅立っていきましたよ。」
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大切な家族を失い、嘆き悲しむ飼い主に寄り添うことが仕事であるこの人の行為は、まさにグリーフワークだ。
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動物も人間も家族であれば同じように大切で、失った心の痛みは消えない。
自分が死ぬ時には葬式は要らないと思っていたが、これは死者のためではなく生者のためのものなのだ。
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残された者は、折に触れ亡くなった家族を感じながら生きていく。
そしていつしか悲しみは癒え、温かい穏やかな思い出だけが残っていくのだと思う。