伝統的な意味での中流の生活ができずに苦しんでいるアメリカ人の数は、いまや数百万人にのぼるのだ。国内のいたるところで、多くの家族が、未払いの請求書の散らばったテーブルを前に座っている。・・・・ノマドと同様、何百万人のアメリカ人が、生活様式を変えざるを得なくなっている。・・・・・家計のやりくりが困難になり、人々が夜遅くまで計算に頭を痛めることになったのには、明らかな原因がある。上位1パーセントの人の平均収入が、下位の50パーセントの人の平均収入の81倍もあるからだ。
しかも収入額が下位50パーセントのアメリカ人成人約1億1700万人の収入は、1990年代から変わっていない。
・・・・階級間の溝は深まるいっぽうだ。階級を飛び越えるのは、現代ではまず不可能だ。その結果、アメリカは事実上カースト制の国になった。
アメリカでは家を持てず(手放し)、車上生活をする人が大量にうまれている。現代の流浪の民ノマドは自身をホームレスとは認めず、あくまでもハウスレスと言う。しかしその実態はあまり変わらない。
映画も見たが、アメリカがここまで来ていることに衝撃を覚えた。高齢になっても働かなければ生きていけない社会。辛すぎる現実だ。