今更のようにこんな事を言うのはどうかと思うが、米国民主党オバマ政権は初の黒人大統領で人気はあった
が、多くの未解決の政治的問題を山積したまま幕を降ろし表舞台から消え去ったような気がする。任期最後
の一年は次期大統領選のヒラリー対トランプによる選挙戦ばかりが注目されてオバマ大統領が何をしたか印
象に薄い。それが今でもIS残党が猛威を振るう中東情勢の原因ならば、オバマ大統領の外交政策は杜撰だっ
たと判断して良いのかどうか?。オバマ在任中に最も中東問題で争点となったのはイラクに駐留する米軍を
撤退させるか否かの瀬戸際に立たされ、決断を渋る姿勢にレイムダック(役立たず)と呼ばれた。しかし今に
して思えばイラクの米軍を撤退させることはISISによる中東情勢の火蓋を切って落とす事だった。もしも中
東情勢にNO!と言えるのならば、かつてのオバマ政権によるイラク米軍駐留には賛同して決してレイムダック
などとは呼べなかったはず。ISISはシリアとイラクに限定したテロ集団では無くなり、神出鬼没に他の地域
や他国でも猛威を振るうようになった。その度に米軍によるIS一掃作戦を展開するとはよく耳にするが果た
してどれ程の効果があってのことだろうか。「IS一掃作戦」こそが信用の出来ないものであり、全く別の意
味で使われているように思うのは私だけでは無いはず。
「IS一掃作戦」が行われていたアフガニスタンでNGO団体のベシャワール会の医師・中村哲氏が何者かに銃撃
され死亡した。アフガニスタンでは2015年にはクンドゥーズにある国境なき医師団の病院が米軍の空爆によっ
て死者を出し破壊され、オバマ大統領はこの米軍による空爆を謝罪をした。中村哲医師を殺害した犯人が捕ま
り事件の全貌が解決する事を望みます。