今年のお盆は台風7号の影響で鳥取県に線状降水帯が発生して大雨被害
をもたらしました。 一月分の降水量の約3倍の大雨が僅か1,2日の内
に鳥取県に降り注ぐ事はまさしく異例中の異例とも言える自然災害に思え
ましたが、温暖化現象の進行具合からは日本列島は既に近畿山陰地方でも
夏の大雨被害が毎年のように起こり得る環境に変化したと感想も持った。
台風多発地域の北限が毎年徐々に日本列島を北上して、いずれは関西や東
海地方でも台風が猛威を振るうようになるだろう。
そうすると都市整備やライフラインの在り方も今一度考え直さなくては
いけない。 そういえば、かつて自民党が河川エリアに「100年の治水
の原理」をスローガンとしたスーパー堤防計画がありましたが、あれは洪
水被害に100年は耐えうる丈夫な堤防なのではなく、100年の歳月を費やし
て河川地域周辺を埋め立て堤防を建設しようとする超ロングランな計画で
あった事は意外と知られていない。 民主党政権時代にはスーパー堤防計
画は一端停止されましたが、自民党政権に戻ってからは再びこの計画が再
開しています。調べてみると99.9%壊れないとの意見もあるようですが、
洪水には対応出来ても埋立地である以上は土壌の液状化による土砂崩れが
起きるかもしれませんし、それ以外の想定外の自然災害が発生する事態に
なるかもしれません。
こんな時には事故の原因として「計画当初の環境による影響を考慮し計算
設計した時とは大きく状況が異なる為」と言い訳をするのだろう。
高度経済成長を切っ掛けに都市部では人口が集中した為の強欲な宅地開発
が続き、周辺の自然環境と折り合いが着かず限界を超えたが、それでも都
市部での宅地開発を推し進める為の公共事業の計画だと思う。だからスー
パー堤防の建設が再開されている地域は都市部ばかりなのだろう。 全国
的に観て茨城県常総市の鬼怒川など本当に治水開発が必要な場所には自然
堤防を維持する計画さえ無く、洪水被害に見舞われたのだから。
個人的には河川地域には宅地開発をせず、遊水地にするべきだと思う。
都市部での宅地開発の魂胆を隠して治水の原理や洪水被害などを唱えるゼ
ネコン絡みの意見には不快感を覚え自然災害は天罰の様に思えてくる。
余談ですが、3.11東日本震災で、国民の考え方が変わった事として代表的
なのが原発は安全クリーンでは無く、危険である事とレートベース方式に
よる原発の経済的な利点などウソで、原発は欺瞞に満ちた国策であった。
スーパー堤防計画も同じような事で何時か正体が明らかにされるだろう。
しかしその時は大きな災いも同時に訪れる。
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