えくぼ

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作者を離れた言葉たち

2014-07-16 09:08:34 | 歌う

           { 作者を離れた言葉たち }

 7月15日朝日夕刊の ✿ あるきだす出す言葉たち は1978年生まれの岡田佳奈
    ✿ うらおもて 10首 より私の気になる4首を取り上げてみることにする。

♠ 夕顔の上りくだりの坂ありぬ

 夕顔の咲く坂道を作者が歩く。しかいこの句は夕顔が坂道を上り下りしているようだ。

♠ 夏蝶の怒りの如く飛び出せり

 怒っている作者の前に蝶が現れたのか。羽ばたく蝶がまるで怒っているようだ。

♠ 病葉の穴の向かうに言葉あり

 穴の上に落ち葉が重なっている。木から捨てられた病葉の言葉。どんな言葉だろうか。

♠ 円ろきかな蓮の浮葉のうらおもて

 蓮の葉はまさに360度の豊かな緑の円。葉裏も全円だが陽を遮られ、淋しい緑色である。

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 岡田佳奈は2004年に 「魚座」新人賞受賞。広島大学で行動科学を研究。行動の切り替えを行う脳の仕組みに関する研究をしているらしい。まだ30代半ば、今後が楽しみな女性である。この 「うらおもて」 には 「彼」 は見えない。私が気がつかなかったのか、
 

    岡田佳奈サマ  あなたの彼の 「うらおもて」 の句を書いてくださいね。 

                       7月16日   松井多絵子